2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tailor-made family support program for families living with mood disorder patients.
Project/Area Number |
25380938
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
酒井 佳永 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (60349008)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気分障害 / 双極性障害 / 家族支援 / 介護負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究の文献レビューでは、抑うつエピソードの回数、うつ病エピソード時に生じる悲嘆や自殺念慮やひきこもり、躁病エピソード時に生じるイライラや暴力、浪費などの症状、そして気分の変化やこれにともなう行動の変化を予測しにくいことが、気分障害患者の無力感や負担感をもたらす要因になっていることが示された。 気分障害患者の同居家族を対象としたインターネット調査では、双極性障害傾向のある患者の家族は、それ以外の患者の家族よりも、より負担感が高いことが示された。アンケートの質的な分析からは、患者の同居家族は、患者の主治医ともっとコミュニケーションをとりたい、患者の症状への対処方法を知りたい、自分の辛さをだれかに聞いてもらいたい、他の家族と体験を共有したい、など多岐にわたるニーズを有していることが示された。また周囲や世間からの偏見を考慮し、もしくは患者のプライバシーを尊重するために、自分の家族が気分障害を患っていることについて、周囲の人には秘密にしている家族も多く、そのために家族自身の家族や友人からのサポートを得られにくいと感じている家族の存在も示唆された。 その一方で、医療機関における支援を利用しにくい理由として、①気分障害患者を支える家族には仕事や育児が忙しい時期にある配偶者が多く、平日の昼間に医療機関に来院することは困難であること、②「患者の症状が安定すれば家族の負担は軽減する」と考え、家族への支援は必要ないと考える家族が一定数いることが示された。 これらの結果をふまえ、①気分障害患者と家族が現在抱えている問題やニーズの聴取、②気分障害患者の症状・診断・心理的特徴の詳細な評価、③患者と家族のニーズをふまえたフィードバックと検査結果に基づいた相談を組み合わせた、短期間の個別家族支援プログラムを実施した。
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Research Products
(2 results)