2014 Fiscal Year Research-status Report
同一質問紙法検査の紙筆版とWeb版の心理統計的等価性の検討
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25380955
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩谷 亨 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (20278097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心理検査 / 心理統計的等価性 / ストレス反応 / 労働者 / 企業従業員 / 精神健康 / 年齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,紙筆版とWeb版の等価性を確認するため,紙筆版とWeb版を協力企業の社員を対象に実施し,データの整理を行った。これは前年度までのWeb試作版ではなく,新たに製作したWeb版の等価性を確認するためである。Web試作版は紙筆版質問紙と同様の画面が出現するが,Web版は項目が一つずつ画面に提示される等,紙筆版と大きく異なるため,等価性の確認をする必要があったためである。 前年度は,紙筆版とWeb試作版を同一集団に実施したデータの整理を行い,日本心理学会で2演題,産業・組織心理学会で1演題の発表を行ったが,平成26年度は危機項目以外の49項目の等価性を検討した1演題を,9月に産業・組織心理学会で発表した。また,前年度の学会発表とこの発表のデータをもとに,「インターネットを利用した質問紙によるアセスメントの可能性」と題したシンポジウムを企画し,日本心理学会において9月に開催した。当日は予想を超える60名程度の参加者があった。指定討論者から,心理統計的等価性の検証方法に関して,効果量に注目する非常に有効な視点を示唆していただけた。研究代表者の理解が不十分なところがあったため,12月に示唆をいただいた指定討論者を個人的に尋ね,より詳しく具体的に効果量に関する内容をご教示いただいた。 さらに,労働者の年齢層とストレス反応の関係がほとんど研究されていないことに気づき,この領域の文献検索を行い,分析中のデータと照合する作業を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Web試作版からWeb版への移行が協力企業により行われ,Web版と紙筆版の等価性の検討のためのデータの取得も既に行った。既存の大量データの分析も進めている。この過程において,労働者の年齢層とストレス反応に興味を持ち,年齢とストレスに関係する文献を検索したところ,ほとんど研究が行われていないことに気づいた。そこで,CEAPSを用いた年齢層とストレス反応の関係にも注意を向ける必要があると考え,その分析も始めたので「当初の計画以上に進展している」という判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は学会発表とともに論文を執筆し投稿することが大きな目的である。学会発表は産業・組織心理学会において,Web版と紙筆版の等価性をテーマにした発表と,年齢層とストレス反応に関する発表を行いたいと考えている。また,ストレス反応だけでなく,究極の予防にもつながる産業領域におけるポジティブ心理学的な側面にも注目して研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
3月に予定していた学会参加が校務と重なり,参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定している学会への発表のための旅費に加え,労働者のストレスに関係する発表が見込まれる関連学会への参加を計画している。
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