2014 Fiscal Year Research-status Report
動物の対人行動が笑顔の表出とリラクセーションに与える効果に関する健康心理学的研究
Project/Area Number |
25380956
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Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部, 教授 (90340033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 空美 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50324299)
水田 敏郎 仁愛大学, 人間学部, 教授 (00340034)
千秋 紀子 仁愛大学, 人間学部, 助手 (70612670)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペットロボット / 表情 / 視線 / 気分 / イヌ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動物が人に示すコミュニケーション行動に対する感情と表情、および心身状態の変動を、動物への好悪感情や飼育経験の有無による理解度を捉えた上で、明らかにしようとするものである。本研究の目的は、動物の対人行動が、笑顔の表出および身体的・心理的健康に与える効果について、生理指標、生化学的指標、行動指標、主観的指標を用いて多面的に検討することである。 研究2年目である本年度は、初年度に開始している動物の行動に対する感情と表情の表出を調べる基礎的研究として、市販のイヌ型ペットロボットと自由な触れ合いをする中で、ロボット犬の動きとそれによって誘発されるヒトの視線や笑顔を含む反応の測定と気分の変化を捉える実験を行った。その結果、ロボット犬の動きによって視線を向ける時間と触れる回数が増加して主観的な活気が向上したものの、声をかける回数は変化がなかった。ロボット犬の対人行動とヒト側の働きかけの頻発は相乗効果を持っており、同時に表情の豊かさを招いて肯定的な感情が喚起されることが示された。この成果については、学会発表を経て学術雑誌に投稿した。 さらに、動物の表情に対する認知について検討するため、イヌの視線が与える印象を口の開閉および耳の形状との関係によって分析する実験を行い、引き続きデータを処理している。加えて、動物園で展示されている動物の自然行動および観察者に向けての反応をビデオ記録した。これを分析することで、独立変数または従属変数として取り入れる要素の再検討を実施する。 また、最終年度に予定していた動物との定期的な交流に伴う心理的・身体的変化を調べる発展的研究として、3週間にわたってロボット犬と触れ合うことによる気分と行動の変化について実験を実施した。録画映像による行動計測、生理反応および唾液中アミラーゼを測定し、現在、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に計画していた研究の中で、現在分析が終わっていない内容も含まれるものの、実験は実施済みであり、さらに今年度には予定していなかった研究も一部すでに行われたものがある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りの研究遂行をめざす。
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Causes of Carryover |
物品費の購入にあたり余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画時以降に増税された消費税も含み、物品費の購入費用に加える。
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