2013 Fiscal Year Research-status Report
登校の問題を持つ若年者を対象とした社会不安障害への集団認知行動療法の効果検証
Project/Area Number |
25380957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
河合 正好 浜松大学, 保健医療学部, 教授 (30283352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 登代子 浜松大学, 健康プロデュース学部, 教授 (60325818)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会心理学系 / カウンセリング / 学生相談 / 集団認知行動療法 / 社会不安障害 / 不登校 |
Research Abstract |
不登校を有する年齢10歳から20歳の者に対して研究の説明をして同意を得た者を対象とする。対象に構造化面接法(Structured Clinical Interview for DSM-IV)を実施して社会不安障害(SDA)の診断を確定した後に集団認知行動療法(CBT)を先に実施する即時群とスクールカウンセリングを先に実施する待機群に任意に振り分けて集団CBT、スクールカウンセリングに導入する。現時点で8名(男4、女4)の導入があり、対象者のエントリー時点での精神障害評価、心理学的評価としてWAIS-III、WISC-III、STAY、SPS/SIAS、LSAS(社会不安障害評価尺度)、CLS-90-R、GAFを実施した。これまでの対象者LSASの平均得点は不安恐怖48/72点、回避32/72点であった。 集団CBTの実施にあたり治療法のマニュアル作成と治療担当者による修正を行った。その上で即時群4名に週に1回の集団CBTを開始している。また待機群についてもスクールカウンセラーが週に1回カウンセリングを行っている。今後、それぞれの治療の終了後に2回目の心理学的評価を実施し、クロスオーバー法に従い治療を交換し終了後に3回目の心理学的評価を実施する。 得られた結果から集団CBTの効果について即時群と待機群の群間比較および治療前後の群内比較を通じて検討する。また、集団認知行動療法の治療効果維持やCBTの治療効果に与える要因についても統計解析を用いて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集団認知行動療法の作成については治療経験を持つ臨床心理士の協力を得てマニュアルの作成が済んでいる。その上で研究が開始されている。現時点で周囲の学校や精神科クリニックとの関係も良好であり、対象の獲得は速やかに進んでいる。治療経過での大きなトラブルも発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度と同様に対象の選定、情報の収集、治療、評価を目標症例数に達するまで続ける。 さらに対象数を増やす試みとして、大学近隣の高校にスクールカウンセラーを派遣し対象者の抽出範囲を広げている。また近隣の精神科クリニックの臨床心理士にも研究への協力を要請している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は学会参加を見合わせたため、旅費の使用がなかった。 研究協力者への謝金は集団認知行動療法および心理カウンセリングの進行に併せて1回毎に計算しているため、平成25年度に終了していない治療については次年度の支払いとしたため次年度使用額が生じた。 旅費については平成26年度の研究打ち合わせ会議と学会参加に用いる。 謝金と物品費(主として心理検査用紙の購入)については平成25年度に開始され平成26年度にも継続している治療の実施に用いる。
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