2015 Fiscal Year Research-status Report
拡散過程モデルに基づく潜在的連合テスト(IAT)データ分析手法の開発
Project/Area Number |
25380988
|
Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
土居 淳子 京都光華女子大学, キャリア形成学部, 教授 (00301713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 千弘 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (70278547)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 潜在的連合テスト / IAT / 拡散モデル / パラメータ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は次の2つである。①潜在的連合テスト(Implicit Association Test、以下ではIATと表記)で測定した反応時間データを、拡散過程モデルに基づいて分析するための分析手法の確立、②反応時間データを拡散過程モデルで分析するための、ユーザ・フレンドリーな分析ソフトウェアの開発・公開・利用支援。 平成27年度には、次のような研究を行った。 (1)平成26年度末に実施したIAT実験データ(有効データ:80名)を分析し、拡散過程モデルに基づく具体的な推定方法の検討を行った。外れ値の扱い、IATの練習ブロックの反応時間データを推定に用いるかどうか、各ブロックの冒頭の数個のデータを除外すべきかどうか、カテゴリー刺激(自己/他者など)と属性刺激(良い/悪い)に対する反応時間を区別して推定すべきか等である。また、拡散過程モデルの7つのパラメータのうち、どれを固定し、どれを異なる条件間で共通とすべきかを検討した。 (2) 平成26年度末に実施したIAT実験データ(有効データ:80名)を分析し、100個程度のデータからパラメータ推定を行う場合の、最尤推定法、fastdm法(コルモゴロフ・スミルノフ統計量を用いる方法)、EZ法(反応時間の平均、標準偏差、正答率によるモーメント法)から得られる推定値の特徴を比較し、いずれの推定法が個人差測定に適しているかを検討した。 (3)平成26年度に開発したパラメータ推定ソフトウェアの動作確認、機能追加、インターフェース評価を行い、不具合の修正を行った。新たに追加した機能は、コントロールファイル自動作成、EZ法による推定値算出、累積分布関数(標本分布、推定された理論分布)作成・表示、標本正答率vs予測正答率の散布図作成・表示等である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ分析、特に、データの下処理に非常に時間がかかっているが、学内業務の多忙および家庭の事情により、本研究にあてる時間を十分に確保することが出来なかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1) 昨年度から継続している調査データの分析を迅速に行い、拡散過程モデルに基づいて推定したパラメータの値と、現在広く用いられているDスコアとの関係を明らかにする。 (2) 新たに繰り返し測定実験を行い、慣れの効果や再検査における有効性を明らかにする。 (3) IATで測定した反応時間データから、パラメータ推定に必要なデータだけを切り出し、パラメータ推定ソフトウェアで扱える形にデータファイルを整えるためのツールを作成する。 (4) 上記と並行して、分析パッケージをインターネット上に公開し、その利用に関する情報提供を行う。
|
Causes of Carryover |
一回目の調査データの分析に想定以上の時間がかかったため、二回目の調査をまだ実施できていない。また、調査結果の研究発表や、論文執筆が出来ていないため、そのための経費も執行できていない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
二回目の調査(繰り返し測定)の実施に30万円程度、開発中のソフトウェアの改修、データ処理機能の追加等に15万円程度、データ分析用PCの購入に25万円程度、旅費に10万円程度、英語論文校閲等の成果発表に20万円程度を支出する見込みである。
|
Research Products
(1 results)