2013 Fiscal Year Research-status Report
記憶場面状況に応じたメタ記憶の機能に関する実験的検討
Project/Area Number |
25380992
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 寛之 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30202112)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 実験系心理学 / 記憶 / メタ記憶 / 記憶コントロール / 記憶モニタリング |
Research Abstract |
本研究は、個人がさまざまな場面状況のもとで自らの記憶能力や記憶特性、知識状態をどのように認識し、そうした認識に基づいて記憶活動をいかに展開していくのかを明らかにすることを目的としている。記憶に関するモニタリングとコントロールに焦点を絞り、認知心理学的方法を用いて研究を進める。一般成人(大学生)を対象に、個人ごとに(1)実験室場面での記憶活動、(2)検査室場面での記憶遂行、(3)日常生活場面での記憶行動、の3点について、研究参加者自身による自己評価と客観的な課題成績基準または一般的記憶行動傾向との差異に関する基礎的データを収集する。平成25年度においては当初の研究計画に沿って具体的に次の四つの研究活動を行った。 1.実験及び調査の準備:先行研究文献及び関連資料の入手、実験施設(実験室)の確保、実験装置の調達、実験用コンピュータプログラムの作成、実験データの記録様式の設定、研究参加協力者の確保、実験補助要員の確保、参加協力同意書の書式設定などを行った。 2.学内倫理委員会の事前承認:研究代表者の所属する研究機関(神戸学院大学)の規程に基づいて、本研究の実験・調査の実施に関して学内の倫理審査機関「神戸学院大学ヒトを対象とする研究等倫理委員会」の審査を受け、研究実施の承認を得た(承認番号HEB130619-1)。 3.予備実験及び予備調査の実施:予備段階での実験及び調査について、大学生を対象に実施し、具体的な実験条件の操作や実験材料の選定、調査用紙の設計、測定指標の検討などを行った。 4.既有の実験・調査データの公表(論文化):本研究の計画推進を図るために,本研究テーマに関連して過去においてすでに収集した実験調査データの整理・分析を行うとともに、関連する論考を含め、学会発表及び論文作成を行った(学会・研究会発表5件、大学紀要1編、学会誌2編(いずれも掲載内定)、図書1冊(分担執筆))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画(平成25年度)にしたがって、遅滞なく、①実験・調査の準備(関連文献資料の入手、実験装置・実験用ソフトウェアの調達、実験用コンピュータプログラムの作成、研究データの記録様式の設定、実験・調査の参加協力同意書の書式設定、研究参加協力者の確保、研究補助要員の確保など)、②学内の倫理審査機関「神戸学院大学ヒトを対象とする研究等倫理委員会」による研究実施の承認、③予備的研究の実施(予備実験・予備検査・予備調査の実施)を行った。これらと並行して、④すでに収集ずみの関連実験・調査データの公表(学会・研究会での発表、学術雑誌の論文掲載)を行った。このうち③予備的研究の実施、④収集ずみ研究データの公表、を通して得られたいくつかの知見や指摘をもとに、今後の研究の発展性を考慮して、当初の研究計画・方法を踏まえたうえで、記憶実験で取り扱う各種の変数、記憶調査の質問項目、記憶検査の検査内容等について拡張可能であるかどうかを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画(平成26年度)にしたがって、前年度に引き続いて、本実験・本調査・本検査の実施に入る前に予備的データを収集する。そうした予備的研究の結果に基づいて平成26年度中に本実験・本調査・本検査を実施する。研究参加者全員に対して個別的にすべての記憶実験・記憶調査・記憶検査への参加協力と研究データの提供を求めるために、過度の心理的負担や疲労、ストレスを与えないように配慮して研究を進めていく。これまでと同様に、あとの研究計画の実行に支障の出ない範囲で、中間段階であっても研究データの一部を関連する学会や研究会で発表し、専門家から意見を求め、研究方法全般や実験・調査・検査の実施手続きについて修正・改善を図っていく。また、他の研究者による最新の研究結果を本研究に生かせるかどうかを検討するが、当初計画からの大幅な変更は行わず、研究データの収集を進めていく予定である。
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Research Products
(9 results)