2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
串本 剛 東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (60457835)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄貴 首都大学東京, 大学教育センター, 助教(Research Associate) (50570090)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 大学教育 / 成績評価 / 学習経験 / 質問票調査 / 面接調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学生が認識した成績評価方法と、それが学習にもたらす影響を明らかにすることである。従ってその成果は、学生を対象とした調査の実施と、調査結果を分析した知見の公表に求めることができる。 調査の実施に関しては、当初20名の協力者を確保することを目標としていた。結果として、研究代表者が勤める東北大学では、前期18名、後期17名が調査に参加した。研究分担者が勤める首都大学東京では、前期11名の参加が得られたものの、後期については本報告書執筆時点で参加者は0名である。 知見の公表は、3つの方法で進行中である。ひとつは、東北大学の前期調査の結果をまとめた論文で、これは東北大学高等教育開発推進センターの紀要に「報告」として採録が決まっている。ふたつ目は、東北大学における2013年度調査に基づく学会発表で、2014年6月に大学教育学会にて実施される予定である。みっつ目は、上記学会発表の内容を基にした国際雑誌への投稿で、4月2日に完了した。 以上の公表内容のうち、現時点で特に重要だと思われるのは次の2点である。ひとつは、成績評価に必要な情報の把握手段として、最も学生が多く経験しているのは、出席確認や参加態度の評価といった「参加状況確認」だと言うことである。その経験確率は70%を超え、期末試験のような「期末教室課題」の経験確率を上回っている。もうひとつ、情報把握手段の経験確率は、授業属性を考慮してもなお、授業時間外学習の量やその配分と統計的に有意な関係を持っているということである。学習時間の増加は大学教育改革の起点として注目されており、適切な成績評価方法はそれを促すことが示唆されたと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大学における調査は、ほぼ当初の予定通りに進行しているものの、首都大学東京においては十分な協力者が確保できていない。 知見の公表は、論文作成と学会発表を合わせ3通りの方法で着手されており、全体として「おおむね順調に進展している」と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査の実施については、東北大学ではこれまで通りの進行で問題がないと考えられるが、首都大学東京では根本的な改善が必要である。ただし学生への周知方法の変更案など、すでに2014年3月の研究会で検討しており、2014年度は前期・後期ともに20名程度は確保できるものと期待される。 なお、これまでの分析結果から、質問票調査の内容にも微修正が必要なことがわかっている。具体的には、成績評価方法について情報把握手段の有無だけではなく、その内容の適切性やフィードバックの程度に関しても、学生の認識を聞くことができるような変更が求められる。2014年前期調査の前に研究会を開催しそこで議論することで、適宜修正を加える予定である。 知見の公表は想定された以上に進んでいるが、学習経験に関する分析の不足と、大学間比較ができていない、という問題点は否定できない。これらについては、研究分担者と連携協力者の尽力を促し、今年度中には何らかの方針を定めたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の所属大学における調査協力者の募集が思うように行かず、謝金支出が少なかったため余剰金が発生した。 調査協力者の募集は、2014年度は計画通りに行い余剰金が出ないようにする。また、2013年度に余った分については、予定よりも研究成果が順調に蓄積されているので、それを発表するための国内もしくは国外旅費に充てることを計画している。
|
Research Products
(2 results)