2013 Fiscal Year Research-status Report
指導要領にみる日・独・英における第二次大戦後の歴史教育政策:大戦の歴史を中心に
Project/Area Number |
25381009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴田 政子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30400609)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歴史教育 / 第二次世界大戦 / 学習指導要領 / ドイツ / イギリス / 日本 |
Research Abstract |
年次計画で示した通り、初年度にあたる平成25年度は主に日本国内における調査に時間を費やした。中等教育段階(中等学校及び高等学校)で戦後使用されてきた、歴史・世界史・日本史の各検定済教科用図書における第二次世界大戦前後の時期についての記述を把握するという作業から開始した。これに続き、『学習指導要領』の同様のテーマに関する記述を抜き出し、その変遷について状況を把握した。加えて調査の進捗に沿い、『学習指導要領』といわば主従関係にある文部省編集『学習指導書』の重要性にも着目し、調査に着手した。 結果、詳細な推移は今後の更なる調査と分析に負うこととなるが、戦後の社会科という教科における、歴史教育の位置づけの変化を大局的に理解することが出来た。 これら国内調査は、主に所属大学中央図書館及び、教科書研究センター、また協力を得られる地方自治体設置の教科書センターで行った。 国外においては、平成26年度からの調査に備え、ドイツではDIPF (Das Deutsche Institut fuer Internationale Paedagogische Forschung/The German Institute for International Educational Research)、イギリスではInstitute of Education, University of Londonの各図書館において予備的調査及び、必要文書・情報に関するスタッフとの打ち合わせを行った。この予備調査によって、イギリスで予定していたThe British Libraryでの調査が可能でないことが判り、同国における今後の調査を計画的に変更することが出来た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より、初年度は日本国内での調査を主軸に考えており、上記諸機関で概ね計画通りの調査を遂行出来た。また、都道府県設置の教育センターでも、自治体によっては教科書採択や歴史教育関する貴重なデータや情報が得られたことは、計画以上の成果といえる。ただし、所属大学での業務の為、夏期及び春期休業中に費やす予定であった教科書研究センターでの調査時間の確保が困難な時期もあり、日本国内での調査は、可能な限り最終年度に再度手を入れることが出来ればと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ドイツでの本格的調査を行う。研究計画では、ゲオルク・エッカート国際教科書研究所(Georg-Eckert-Institut fuer internationale Schulbuchforschung)での調査を主軸にするとしていたが、今回のDIPFでの調査及び情報交換により、むしろDIPFの付属機関で教育史を専門に扱う図書館Bibliothek fuer Bildungsgeschichtliche Forschung での調査が有効であると判断されたので、この所在地ベルリンでの調査に重きを置く。調査内容は、やはり日本の学習指導要領にあたる教授計画(Lehrplan/Rahmenrichtlinien)である。イギリスにおける調査は、「研究実績の概要」で既述の通り、母校ロンドン大学図書館での調査に全面的に頼ることになるので、帰国後に修正した研究計画に基づいて、再度図書館司書等関連スタッフと調査の打ち合わせを行う。
|