2014 Fiscal Year Research-status Report
0~12歳までの発達を主題とする造形カリキュラムの研究-保幼小接続へ向けて―
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25381025
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
丁子 かおる 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80369694)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳幼児 / 造形 / 文化 / 地域 / 国際 / 保幼小接続 / 学びの連続性 / 0-12 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児が幼児、児童となる育ちの著しい時に焦点を当て、人間形成を目的とした連続性のある造形カリキュラムを提案することを目的としている。そこで、先年度は、特に乳幼児の造形における意味とあり方、材料素材と保育者の援助について明確にするべく、調査を行ってきた。 乳幼児の造形についての意味とあり方については、イタリアはレッジョ・エミリア市にあるブルーノ・ムナーリ幼稚園やフランスの幼稚園、保育園の保育施設、OECD見学と会場での討議に参加し、造形における保育がどのような視点で行われているかについて調査を行った。また、海外の乳幼児から小学校低学年を対象とした国際学会であるAIEC(Art in Early Childfood)における論文を概観し、その動向をまとめ、先のイタリア、フランスの調査と併せて、美術科教育学会上越大会で口頭発表を行った。 そこから分かったことは、低年齢児の造形における教育(保育)の動向としては、子どもの思いを表現する表現主義や、子どもの認識を広げることといった認識主義的な美術教育から、親子のコミュニケーション、美術館におけるファミリーセンターや地域における伝統的文化の継承、科学や社会、地域文化、そして、個人のアイデンティティなど、視野が拡大しているということであった。国内の小学校教育における図画工作より、広く柔軟な視野で研究や実践が進められていた。 そのため、方向性を見直し、低年齢児からの造形では、これまでの材料用具や発達に加えて、題材設定やプロジェクト型などの方法の柔軟性をもって、小学校へも接続していけるように考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請時には予定をしていなかった学会の会員管理・会計に関わる本部事務局の担当理事にな任命され運営を行ってきたため、昨年度同様に学会業務が多忙化していたため、研究の進行が大幅に遅れた。ただし、担当する学会業務の外部委託を完了、2015年3月末で理事を辞任したため、4月よりようやく研究の進行が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れていた研究を進める。材料素材のみならず、「文化的営みとしての発達」的視点や、子どもの育つ「人間の発達と生態学的システム」としての視点を拡大していく題材についても、0-12歳までの造形の遊びと学びとして収集し構成、提案する。
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Causes of Carryover |
乳幼児の調査から始めたために、教材集やメディアなどの購入が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
教材集やメディアなどの購入を遅らせたため、その経費として使用を予定している。
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Research Products
(3 results)