2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 満 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30127740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 道徳的価値 / 道徳的推論 / 議論モデル / 討議 |
Research Abstract |
平成25年度の課題は、1-1多様な道徳授業論及び授業実践事例の批判的研究と1-2合意を生み出す討論におけるコミュニケーション構造の解明であった。1-1に関しては、現代社会と児童生徒の諸課題に焦点付けながら理論的観点と実践的な観点から既存の道徳授業モデルを道徳的価値の捉え方の違いに着目して批判的に分析し、それらの諸課題を明らかにした。その成果は、①で論じた。また、既存の道徳教育論の諸課題を克服する新たな理論モデルとして、討議による道徳授業論を対置し、③において「新たな道徳授業の理論的基盤」として提案した。1-2に関しては、②と③で、1-1で提案した道徳授業論を具体化するために、生徒の学習活動の中心をなす、「討議・話し合い」を深める実践的な課題となる話し合いの構造を発達段階と道徳的推論の構造を議論モデルであるトゥールミンモデルを導入して解明しようと試みた。その成果は本年6月15日開催の日本道徳教育方法学会第20回研究発表大会(岡山大学にて開催)において「討論を中核とする探究的学習の具現化と『論理的対話力』という課題の克服」発表の予定。 ①渡邉満「生徒指導上の諸問題と道徳教育」、第1回中国中学校道徳教育研究大会岡山大会・平成25年度岡山県中学校教育研究会道徳部会研究大会(岡山市国際会館)、平成25年8月20日②渡邉満「今日の子どもたちの諸課題と道徳授業づくり-道徳授業の話し合いを深めるためにー」、日本道徳教育方法学会夏期研究会シンポジウム「児童生徒が進んで表現し学び合い、成長を実感することができる道徳授業」(名城大学附属高等学校)、平成25年8月24日。③渡邉満「新しい道徳教育の理論的基盤を考える」、梶田叡一編『教育フォーラム52 新しい道徳教育のために 特性をどう育てるか』金子書房、2013、8。④渡邉満『「いじめ問題」と道徳教育』(ERPブックレット)ERP、2013、7。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の道徳教育論を人間性の普遍性を基盤にして児童生徒の共感によって価値の自覚をはかることを目標とする道徳授業論と現代社会における価値観の相対化状況の視点に立つ道徳教育論に区分し、両者の意義と課題を明らかにしながら、現代社会の価値・価値観相対化によって生じる道徳教育の諸課題を克服する新たな理論モデルとして、「討議による道徳授業論」を対置し、具体的状況のうちに設定された道徳的課題の解決に向けた児童生徒の道徳的推論の理論的・実践的な具現化の鍵を握ると思われる討議(話し合い)の意義を明らかにするとともに、その具体的展開の方策として道徳的推論の構造を道徳性の発達段階と関連付けながら解明する道筋を付けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年次は予定通り、これまでの成果を学会において報告するとともに、引き続き討議による道徳的推論の構造を明確にし、その構造に従って授業を展開するプロセスを教授・学習過程として具体化することである。それを進める方策として、これまでに開発した討議による道徳授業の教材及び授業展開過程と既存の道徳教育論における道徳授業展開過程との比較検討を行う。その際、平成25年度版の各社副読本と教科化を前にして平成26年度に使用される各社副読本の教材とその教師用指導書に掲載される学習指導案の分析を予定している。本研究の当初計画では、平成26年度版は平成22/23年度作成版ではなく、各社改訂を行い新版を作成すると思われたが、教科化方針の登場によって平成22/23年度版が引き続き継続されているため、平成25年度版が中心となる見込みである。第2年次の研究成果は平成27年に開催される日本道徳教育方法学会において発表の予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度購入を予定していた5社の中学校道徳副読本及び教師用指導書について、今年度は各社改訂を行っていない事情があり、改訂前の副読本及び教師用指導書はすでに他の研究費(科研B、課題番号24330254)で購入していたものがあるため購入しなかった。また、旅費に関して、研究協力者と日程が合わず、打ち合わせをメール等で行ったため、予定額を使用できなかった。。 次年度使用額については、次年度購入を計画していた5社に加えて今年度購入する予定であった5社のうち次年度刊行がなされたものについて購入を行い、残金があれば、出版社から刊行されている自作資料集の購入を行いたいと考えている。また、旅費については、次年度は打ち合わせの旅費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)