2013 Fiscal Year Research-status Report
近代教育政策定着過程における中央と周縁に関する研究-地域の人材育成と高等中学校-
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25381030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小宮山 道夫 広島大学, 文書館, 准教授 (60314720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育史 / 学力観 |
Research Abstract |
青森市では県政情報センター、県議会図書室、県立図書館、青森市民図書館を訪問し、当該時期の資料収集につとめた。 県史編さん室では青森県不達綴明治17年1月~6月、同17年7月~12月、同17年12月~21年3月、同18年1月~8月、同18年9月~19年4月、同明治19年、同明治20年、奥南雑誌第1号、青森県学事年報、青森県総覧等350コマ程度の複製を行い、県議会図書室では明治十九年度地方税支出予算議案並説明書18コマ、青森市沿革史163コマを撮影した。 県立図書館では県会関係決議録(明治20)、青森県布達綴(明治17)50コマ程度の撮影を、八戸市では八戸市立図書館(本館)にて八戸藩庁日記を閲覧し、300コマ程度の撮影を行った。弘前市では弘前市立図書館にて津軽家文書、岩見文庫郷土資料、弘前大学附属図書館にて弘前高校関係資料を閲覧した。 以上により青森県の第一次調査を完了し、青森県内で入手可能な当該期の資料にはひととおり目を通すことが出来た。追加で行う必要がありそうな調査は八戸市立図書館所蔵の八戸藩庁日誌の続きの撮影、弘前市立図書館所蔵の個人文書の再調査であるが、これらについては他の東北地域の調査の進捗状況をみながら取り組む予定である。 八戸藩庁日誌には簡潔な記述ではあるが南部利克の東京での修学状況が日々事細かに記載されており、当時の東京英語学校や第一高等中学校、学習院等の実態を垣間見ることができることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には青森県調査のほかに山形県調査と岩手県調査を計画として盛り込んでいたが、本務業務の都合で出張日程を確保できず山形県と岩手県の調査は実現できなかった。このため出張旅費経費を26年度に繰り越さざるを得なかった。 しかし25年度の出張日程の不調は想定の範囲内であり、戦災のため最も調査が難しいと予測していた青森県調査が短い日程ながら効率的に実行できたことと、参考文献・関連図書の収集・整理が予定どおり順調に進んでいることから達成度は上記の区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実現できなかった山形県調査(山形県立山形中学校(現 山形県立山形東高等学校)、荘内中学校(現 県立鶴岡南高等学校)、米沢中学校(現 県立米沢興譲館高等学校)関係資料の調査)、岩手県調査(岩手県尋常中学校(現 県立盛岡第一高等学校)、育英学舎(現 江南義塾盛岡高等学校)関係資料の調査)を実施する。 その後、本来の平成26年度計画としていた福島県調査(福島中学校(現 県立安積高等学校)、会津中学(現 県立会津高等学校)、石川義塾(現 学校法人石川高等学校)関係資料の調査)、秋田県調査(秋田尋常中学校(現 県立秋田高等学校)関係資料の調査)、宮城県調査(宮城県尋常中学校(現 仙台第一高等学校)、東北学院(現 東北学院高等学校)関係資料の調査)を実施する。手の回らない調査先については27年度に繰り越す。 以上の調査に加え、二高文書のうち、これまでに撮影できなかった教育内容に関わる簿冊の完全撮影につとめ、収集した各史料を精読し、生徒移動の実態に重点を置いて分析する。これまで明らかにした二高の内部規程(「校規」「内規」「職務」「君理・内規・通達」「生徒例規」など)による制度設計をもとに、生徒に関する規則の運用の実態について分析する。 研究成果の一部を教育学会・教育史学会・全国地方教育史学会等の専門学会にて公表し、学界に論証過程の妥当性を問うとともに、収集した文書画像データや調査報告等のテキスト類の保存・蓄積・データベース構築を随時実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本務業務の都合により調査日程を組むことができなかった。 25年度に実現できなかった山形・岩手両県の調査旅費として充当するとともに、関連文献・図書の購入に充てる。26年度は予定どおり福島・秋田・宮城県の調査を実施する。
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