2014 Fiscal Year Research-status Report
国際バカロレア・モデルによる職業・キャリア教育の可能性 -イギリスを手がかりに-
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25381040
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
柳田 雅明 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (20260523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 直弘 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (80578063)
中西 啓喜 お茶の水女子大学, 文教育学部, 研究員 (10743734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高大接続 / 国際バカロレア / 職業・キャリア教育 / 包摂性 / 学習成果の水準維持 / 財政的現実性 / 中等教育 / イギリス教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献研究を継続のもと、イギリス現地訪問調査は、「国際バカロレア・キャリア関連プログラム」(IB Career-related Programme、略称IBCP) に焦点化して実施した。このIBCPは、大学等高等教育機関への進学に向けて基本的に設けられている国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)と全く同じ学年の生徒が対象となる。この職業・キャリア教育に力点を置くこの教育プログラムが、どのように実施されているかを確認し、次の観点から検討した。すなわち、1)国際バカロレア理念の貫徹度、2)学習成果の水準維持、3)特権的な学び手だけに限定されない包摂性、そして4)財政的現実性である。これら観点から、公費セクターでの取り組みが先行するイギリスを対象地域として検討していった。訪問校は、最も研究課題の目的に合致する2校であった。たしかに、国際バカロレア・プログラムは、経費が高額になることもあって、国際学校(international school)といった授業料設定の自由度が高い私費セクター校が中心となってきた。一方、訪問できた実施校はみな公費セクターにあり、その下で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)に続いて、IBCPを導入している。さらに本年度本調査の2校は、厳しい状況に置かれ続けたいわば「剥奪された地域(deprived area)」(ともにロンドン市内)に立地する。併せて現地で当該分野をリードする世界的研究者への再度のヒアリング等も十分な形で行えた。 また、以上のイギリス現地調査と関連して、日本で重なる部分が大きい職業専門高等学校への訪問調査も、大阪府にて1回実施した。このことにより、日本への示唆に向けての事実に基づく認識づくりもできた。 そして、論文1編、また柳田・飯田・花井連名で日本比較教育学会大会共同発表も含め発表3回を、後述の通り実施できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正規手続きによる承認の下、正規調査(Full research)を行えたことにより、学術上の示唆が得られる情報の確認・獲得が、当初目的に適う形でかなりできたと認識するためである。さらに3回の学会発表等において、今後の研究計画にとって大いに示唆となる貴重なコメントも多く頂戴できた。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の示してきた調査を、さらに総括へとつながるさら詰めた形で、学会発表をはじめとして、公にしていく。 IBCP実践訪問の補足をするとともに、それと重なるイギリス国内での取り組みについても、厳選の上追加調査を実施する。 これらを総括することで3年計画のまとめとしていく。
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Causes of Carryover |
柳田分残額は、2015年3月イギリス現地訪問調査で得られた知見に即して、書籍・消耗品を購入するためである。また研究分担者・飯田分の残額は、旅費の支払いのためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
以上の理由から、書籍・消耗品代および旅費に使用する。
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Research Products
(4 results)