2013 Fiscal Year Research-status Report
イエナ・プランにおける異年齢集団の構成法に関する研究
Project/Area Number |
25381044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐久間 裕之 玉川大学, 教育学部, 教授 (70235208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペーターゼン / イエナ・プラン / 異年齢集団 |
Research Abstract |
平成25年度は、まずペーターゼンにおける異年齢集団の構成法の原理とその形成過程の解明に着手した。今回は1920年4月から1927年8月までのペーターゼンの動向・主要文献に着目し、(1)ペーターゼンがペスタロッチーの「人間学校」の理念の中に「現実主義」という自分との共通項を見出していたこと、(2)イヴェルドンの学園におけるペスタロッチーの教育実践の中から異年齢集団等の特徴を取り出し、そこに人間学校の具体像を読み込んでいたこと、(3)こうした具体像がペーターゼンのイエナ・プランに受容されていることを解明した。その成果の一部を、関連学会である日本ペスタロッチー・フレーベル学会第31回大会において、「ペーターゼンとペスタロッチーを繋ぐもの――『人間学校』(Menschenschule)の理念を軸に」と題して口頭発表した(2013年9月15日)。 次に、ドイツ国内におけるイエナ・プラン実施校における異年齢集団の構成法を調べるため、現地校(主に基礎学校)との調整の結果、今年度はラインラント=プファルツ州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州、ノルトライン=ヴェストファーレン州、ヘッセン州、ベルリン州、テューリンゲン州にある合計11のイエナ・プラン実施校を訪問し、2学年混合、3学年混合、4学年混合それぞれの異年齢集団について現地調査を実施した。ペーターゼン自身は最終的に3学年混合の異年齢集団を最良と捉えていたが、今回の調査では、一部の州を除いて4年制の形をとる現在の基礎学校における3学年混合の問題点が指摘されていた。今年度の現地調査による成果の一部については、関連学会(世界新教育学会)において「イエナ・プランにおける異年齢集団の構成法に関する研究――ドイツ・ローゼンマール校を取り上げて」と題して口頭発表を行う(2014年6月8日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画では、1. ペーターゼンにおける異年齢集団の構成法の原理とその形成過程の解明、2.ドイツ国内におけるイエナ・プラン実施校の調査を課題とした。 前者については、ペーターゼンにおける異年齢集団に関する思想形成過程に関する研究成果の一部を関連学会で公表することができた。また、後者については、現地校との日程調整の関係もあって、訪問可能な現地校への訪問を優先させることになったが、当初予定していた訪問数におおむね近い数の学校を訪問することができ、「研究実績の概要」に示したように、その成果の一部を関連学会で公表することが決定し、おおむね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度の成果を踏まえて、ペーターゼンにおける異年齢集団の構成法の原理とその形成過程の研究をさらに続ける。また、平成25年度に引き続き、イエナ・プラン実施校の現地調査を訪問可能な範囲で行い、ドイツのイエナ・プラン実施校における異年齢集団の構成法の特質についてさらに調べる。その際、ドイツにおける異年齢集団の構成法の特質を、他国における取り組みと比較する視点を導入することで、より明確化することも試みる。そのため、イエナ・プランへの活発な取り組みが見られるオランダにおけるイエナ・プラン実施校に関しても資料収集と、オランダ現地のイエナ・プラン関係施設(研修機関、代表的なイエナ・プラン実施校)の現地調査を試みる。平成26年度も調査結果を分析・整理し、研究成果の公表を行う。
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Research Products
(2 results)