2015 Fiscal Year Annual Research Report
イエナ・プランにおける異年齢集団の構成法に関する研究
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25381044
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐久間 裕之 玉川大学, 教育学部, 教授 (70235208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イエナ・プラン / 異年齢集団 / ペーターゼン / 共同体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異年齢集団による児童生徒の効果的な学習や交流の特質について、異年齢集団の思想的源流の一つであるイエナ・プランにおける異年齢集団の構成法の考察を通じて解明することを目的としている。その際の研究の視点は次の4点であった。1.イエナ・プランにおける異年齢集団の問題を、その創始者であるペーターゼンの思想形成過程へとさかのぼって考察し、ペーターゼン自身による異年齢集団の構成法の原理的考察を試みる。2.ドイツのイエナ・プラン教育学会が認定しているイエナ・プラン校の現地調査を行い、異年齢集団の構成法を実地に把握する。3.ドイツのイエナ・プラン校における異年齢集団の構成法を分類・整理し、さらに各構成法の教育的効果について比較検討を試みる。4.前述の検討結果に基づいて、日本における異年齢集団の構成法へ応用するうえでの諸条件と課題について考察する。 研究の結果、異年齢集団は単にイエナ・プランの一要素なのではなく、根幹に位置づけられるものであることがペーターゼンの人間観との関連で明らかになった。またペーターゼンは、最終的に3学年混合を最良であると捉えた。しかし現地調査によって、14州の基礎学校では4年制を採用し、そのため3学年混合が困難であること、ペーターゼンが教育学的な理由で回避した4学年混合がむしろ理想とされているが、4学年混合は困難なため2学年混合が選択されている実態が明らかになってきた。ただし、各学校レベルでのチーム編成や教員研修を通じて、イエナ・プランの担い手となる教員の力量形成を図っていく取り組みが問題解決への手がかりとなりうることも把握された。さらに異年齢集団の構成にあたっては、その集団が「共同体」としての内的特質を充足することが重要であることも明らかになってきた。この内的特質について理解を深めていくことが今後の課題である。なお、研究成果を1冊の報告書にまとめた。
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Research Products
(2 results)