2015 Fiscal Year Research-status Report
生涯学習施設の経営診断・評価技法の標準モデルの開発 ―公民館経営診断を中心に―
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25381064
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原 義彦 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70284825)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 公民館 / 経営診断 / 生涯学習施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
公民館経営診断・評価技法のモデル開発に向けた質問紙では、平成26年度末に実施した東北地方6県の公民館を対象とした公民館経営の改善事例の調査(悉皆調査)により、160の改善・改善事例を収集した。これらの個々の事例について「課題・改善を要する事項」「課題が改善・解決された状態」「課題の改善・解決のための手立て」の内容を小分類で抽出し、その内容を中分類に集約し、公民館経営診断の「診断名」(53項目)、「改善・整備による成果名」(36項目)、「改善・整備名」(41項目)の分類項目名(候補名)を作成した。事例に基づいて、これらの分類項目名の連関を分析し、経営診断のためのリンケージを開発した。
リンケージとは概念と概念の結びつき(組合わせ)を示すもので、経営診断では、診断名に対して期待する改善・整備の成果の組合わせ、さらにその成果を生み出すのに有効な改善・整備の組合わせということができる。複数の改善事例にみられた連関から開発されたリンケージとして、「(診断名)講座参加者数の減少、利用者の減少」-「(改善・整備による成果名)受講者、参加者の増加」-「(改善・整備名)広報の充実・強化」「(同)講座等の内容、方法の改善、充実」「(同)講座等の開催方法等変更」「(同)講座等の周知内容、方法等変更」などがある。 生涯学習施設の経営改善に関する聞き取り調査では、広島県大竹市、福岡県糸島市、愛媛県松山市、同西予市、秋田県由利本荘市、同にかほ市、大潟村の公民館、生涯学習推進センター等の実地調査を行い、リンケージ開発の事例を収集した。 なお、上記の研究成果の一部は、関連の学会において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公民館調査により収集した改善事例数が多かったことに加え、小分類による細かな分類を行ったことによりその集約、分析に時間を要したが、調査はほぼ予定のとおり進行した。なお、研究成果の口頭発表後にさらなる分析、考察を加えたことから、研究成果の公表のみを残すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の総括を行う。具体的には、研究成果を論文としてまとめて、関連の学会において発表する。また、研究成果、公民館調査等で得られた経営改善事例、聞き取り調査の内容等を収録した報告書の作成を予定している。
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Causes of Carryover |
研究成果の公表等のため、研究期間を延長したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の論文投稿、研究報告書の作成等に使用する。
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Research Products
(1 results)