2013 Fiscal Year Research-status Report
学校経営組織における評価フィードバック機能に関する理論研究
Project/Area Number |
25381065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 崇英 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30344782)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学校評価 / 学校組織 / 学校経営組織 |
Research Abstract |
平成25年度は、文献の収集、整理、検討を行ってきた。主な内容は以下のものである。 第一に、日本、イングランド(第三者評価機関オフステッド)、ニュージーランド(第三者評価機関ERO)の制度モデルが包含する評価フィードバック機能に関する検討を行った。わが国では第三者評価が義務化されていない。現状の自己評価モデルのなかで第三者評価に類する専門的知見をいかにフィードバック機能に含み得るかが課題である。 第二に、近年の学校経営論において用いられてきた組織モデルにおける評価モデルの検討を行った。例えば、以下の点が着目される。近年は、アメリカにおける学校組織研究において権限委譲・参加モデル(分散型モデル)が提唱されている。分散型モデルは、わが国においてもリーダーシップの配分モデルとして紹介、検討され、また調査研究等が進められている。だが、それらはPDCAサイクルに照らせば、PDの側面が主として問題視されているといえる。しかし、仮にCAに変化がなければ、いわゆるミドルアップダウンは限定条件下のものか、仮想に過ぎない。すなわち、分散型モデルがトップリーダーの権力強化にのみ、狭隘に機能する結果が懸念される。わが国の学校経営組織に、とりわけ評価フィードバック機能が適切に維持される経営組織モデルを検討する必要がある。 第三に、評価研究において検討されてきているモデル(アプローチ)の検討を進めた。Questions-and Methods- Oriented Evaluation Approaches、Improvement/Accountability-Oriented Evaluation Approachesなど、Stufflebeam, D. L.(2001)Evaluation Models, Jossey-Bass などで検討されてきたものであるが、本研究では組織コアとしての教授-学習ストラテジーとの関係において、オルタナティヴとして評価フィードバックの在り方に関して検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、文献の収集、整理、検討であり、これらについては概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、評価フィードバックモデルに関して、実践的に協力してくれる学校にヒアリングとアンケートの協力を得る。茨城県内の小中学校で、「学校における業務改善事業」など、これまで指導・支援者として関係のある学校の協力を得る予定である。 第二に、県内の自治体(市)で教育行政評価委員長を務めているが、学校評価をめぐる教育委員会との関係について評価フィードバックモデルを検討するための協力を得る。 第三に、さらにモデルの精緻化と文献・理論研究を併行して進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入した海外書籍について、予定より若干の値下がりが生じたため。 同様に書籍代の一部として使用する予定である。
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