2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25381073
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
香曽我部 琢 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (00398497)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転機 / 保育カンファレンス / 自己形成 / 成長プロセス / 時間的展望 / 実践コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、保育者の転機の要因、時期など、基本的な質問項目を作成、実施を行い、保育者の転機に関する基礎的な量的な調査を実施した。その概要は、保育者は転機の経験において多様な他者とのかかわりによってそれを乗り越えていったことが示された。そしし、他者との関係性が3つの段階を経て変容していくことを明らかにした。まず、 第1段階として、先輩から後輩へと世代間に広がり、第2段階として、同じ職業間へと広がり、さらに第3段階として、異業種への広がっていくことが実証できた。 次に、転機に関するの基礎資料をもとに、対象者を選定し、対象者に対してインタビュー調査を行い、保育者の転機の事例を収集し、その経験における成長プロセスについて、2つの質的研究の技法を用いて明らかにした。概要としては、転機の要因として3つのカテゴリーと異動との関連性を明らかにした。そして、保育者が転機をi問題認識、ii省察、iii将来の展望、iv困難な状況の発生、v他者との相互作用の活性化、vi他者との実感と展望の共有、以上6つの段階のプロセスとして認識していることが明らかとなり、他の保育者と実践コミュニティを形成し,将来の展望を共有することの重要性を示した。 最後に、2年間の研究の成果をもとに、どのような時期に保育者に対してどのような研修内容が適切なのか、検討を行い養成教育、現職教育への新たな視座として、新たなプログラムの作成を行った。感情共有型、展望共有型の保育カンファレンスの方法について提案し、その実際の場面について分析を行った。その概要としては、TEM 保育カンファレンスによって、保育者が言葉による相互共有の高い談話スタイルで話し合いを行い、状況説明や当事者批判などの発話はほとんど見られないことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)