2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
武井 敦史 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30322209)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日本的経営 / 場 / 学校組織 |
Research Abstract |
申請時において、本年度は「場」に関連する著作70点(和書50 洋書20)、日本的経営に関する著作50 点(和書30 洋書20)、関連論文100 点(和文50欧文50)あまりを収集・検討し、従来の理論的到達点を明らかにすることが想定されていた。これに対し本年度新たに収集した資料は国内外の計80点あまりであり、数的にはやや少ないものの、概ね順調に進んでいる。尚、予算については本補助金の予算ではなく、大学の研究費などを活用した。現在その整理をしており、今後検討に入る予定である 現時点までの成果はインド(University of Delhi, New Delhi)において開催された国際研究会'Conference on Education and the Significance of Life'にて報告し、本研究課題に対し、国際的な視点に立ち、多角的な議論が行われた。報告のタイトルは"How to Face "Accidental Nature" of Life in Education: Questions on 'Ba' and Schooling Systems"であり、本研究の主題とする「場」の概念を実際の学校運営にどのように活かしていくかに関する理論的検討の報告(約40分間)を行った上で、20分あまりの質疑応答を行った。参加者は国籍も多様であり、立場も大学教員から、学校現場の実践家、大学院生まで、多様な参加者で構成されており、今後の研究にとって示唆に富む議論ができたものと考えている。 アクションリサーチについては、協力校における管理職の異動等もあり、準備において想定よりやや手間取っており、具体的な成果をあげるに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、これまで申請者の行ってきた実践・理論研究を基礎として、①「場」と日本的経営に関する国内外の文献研究、②学校改善に関するアクションリサーチ、③国内外での報告・意見交換を通じたモデルの洗練・汎化をすることを通し、学校の日本的経営に関する総合的な研究のための基礎を確立することを目的としている。 本年度は①と③に力点を置いて研究を行った。文献資料の収集については、本年度新たに国内外の計80点あまりの著作・論文を収集しており、今後検討に入る予定である。 また、日本教育経営学会、日本学習社会学会、日本教育行政学会に参加し研究に関する意見交換を行った他、本研究の現時点での成果について2014年3月にUniversity of Delhiで開催された国際研究会'Conference on Education and the Significance of Life'(タイトルは"How to Face "Accidental Nature" of Life in Education: Questions on 'Ba' and Schooling Systems")において報告・検討を行っており、モデルの構築については当初の計画を上回る進度で進められているものと考える。 一方学校改善に関するアクションリサーチについては、現在まで協力校との間で調査の進め方等について検討を行っており、研修等の実施のあり方についても何点かの解決すべき課題が存在している。本年度以降、本格的な実施に向けて検討・調整を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画に従って今年度以降も着実に研究を推進していく計画である。 本年度は「場」と日本的経営に関する理論的検討から、学校改善に関するアクションリサーチへと軸足を移していく予定である。理論的検討については検討すべき文献をすでに収集しているので、これらを整理・総括し、本研究との異動について明らかにしていく。 アクションリサーチについては、本研究の主旨と協力校の持つ経営課題とのすりあわせについて工夫が必要であり、期待される成果をあげるための方策について検討している。現在のところ協力校の取り組んでいるコミュニティ・スクールの活性化に向けたワークショップ等において、本研究で開発した技法を援用し、その効果を検討することを考えている。 また、学校管理職研修等の場においてアクションリサーチを行うことも検討しているる。その場合、本研究の視点を活用した研修を企画し、申請者が研修を実施した上で、そのプロセスを明らかにし、アンケート等の方法によってその成果を検証していくこと等が考えられる。 さらに、昨年度の国際研究会における報告は、今年度以降も発展が見込まれるため、本年度以降も同様の機会を積極的に開拓し、研究の進捗度に応じた成果を公表し続けると共に、議論を深めて、本研究の主題とする日本的経営の分析の視点について多様な要素を加えていく。このことは研究期間終了後の本研究の発展のかたちを考えるに際して重要な視点であり、「探索的研究」としての本研究の主旨にも合致するものである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は支出が課題となる見通しのもと、文献資料を申請者の個人研究費から支出していたため、結果的に¥201,413の次年度使用額が生じた。 本年度以降も減額支給されているため、研究計画の遂行に際してその補充に充てることとする。
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Research Products
(1 results)