2015 Fiscal Year Research-status Report
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25381076
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
武井 敦史 静岡大学, 教育学部, 教授 (30322209)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本的経営 / 場 / 学校組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「場」の概念を核として日本の学校組織運営の特徴を再評価し、そのエッセンスを技法化して、現代の学校で導入可能な手段を開発し、「場を活かした学校経営」のモデルとして再定義することを目的として平成25年度より研究を継続している。 平成27年度は①本研究のアクションリサーチの継続実施、②研究成果を、国際学会において報告を行い、モデルの構築に向けた理論の洗練を行うこと、③研究発展に向けた準備本研究の成果を土台に、a)学校の経営実践に役立つ手立ての開発、b)日本的学校経営の理論構築について共同研究を企画することを具体的課題として研究を推進した。 まず①については、国内における研修等の実施、海外におけるワークショップの実施を行い、その双方において非常に高い成果を上げている。②については①の成果を中心に「東アジア教員養成国際シンポジウム」で本研究の可能性について報告した。(タイトルは“An Alternative Approach on Career Education for University Students: Comparative Action Research in India and in Japan”)③については海外の研究者との共同研究を企画し、その手立てとして日本学術振興会の外国人招へい研究者事業に応募したものの、結果は不採択となった。 ②と③については、課題が残されており、本研究成果のさらなる公表と、研究継続・発展について継続して模索・検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のとおり、本研究の目的としている「場」の概念を核とした日本の学校組織運営の特徴を再評価と、現代の学校で導入可能な手段の開発については、高い成果を上げており、また今後の応用可能性についても期待の持てるだけのエビデンスを国内・海外における調査で得ている。 しかし、本研究年度内に十分な成果を上げることはできなかったものと認識している。これには次に挙げる二つの理由があるものと考えている。 第一に本研究の「探索的研究」としての性格から、研究の広がりという点でより広範な援用可能性が見えてきたことである。学校管理職の行う経営実践のみならず、教員のキャリア開発や、教員風土の開発など、より広く活用できる可能性が見出されたため、その成果の集約に、当初想定していたよりも、多くの研究スパンが必要となる結果となった。 第二に研究成果の公表と今後の研究発展の道筋について、付加的な努力が必要となったことである。上述のように国際シンポジウムでの報告等、研究成果の公表は本年度までにも行ってきたものの、本研究の今後の発展を基礎づけるためには、著作などのかたちで、より広く公表できる手段を模索する必要がある。また海外の研究者との共同研究についても平成28年度外国人招へい研究者事業への応募が不採択となったため、引き続きどのようなかたちで進めるか検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の理由により、平成28年度にかけて一年間の研究延長を申請し、平成28年度も継続して研究に取り組むこととした。平成28年度は次の二つの領域で研究を推進する予定である。 第一に研究成果の公表に関する活動である。すでに本研究の研究成果について平成27年度までにいくつかの学会等で研究成果の公表は行ってきているが、今後の研究発展のためには学際的にも参照されるかたちでの公表が望ましい。そこで平成28年度には著作等のかたちで、研究成果を公表することを検討する。この目的のための原稿の検討・作成を現在開始しているところである。出版社との交渉等は現在開始していないが、必要に応じ、日本学術振興会の研究成果公開促進費に応募することとする。 第二に今後の研究発展に向けて必要な準備活動である。今後本研究の視点を深化・拡大させ、実践的にも発展させていくには、国内・海外における共同研究者の開拓とこれを実践するためのフィールドが必要になる。このため、学会等への参加や学校等における研修実施等を通して、今後の研究に必要な諸条件の基礎固めを行う。また、研究の継続・発展のためには研究資金が必要であり、このため科学研究費助成事業(基盤研究(B)または基盤研究(C)が妥当と考える)に応募する。 また、上記二つの研究課題に関し、本研究の国際的な援用も視野に入れられていることから必要に応じ海外出張を検討する。
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Causes of Carryover |
研究計画の見直しから、次年度に渡り研究を継続する必要が生じ、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の課題として残されている研究成果の公表と研究発展の準備ために使用する、残額がかぎられているため、必要に応じ個人研究費で補填する。
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Research Products
(2 results)