2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小湊 卓夫 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (30372535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌田 敏行 茨城大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00400599)
浅野 茂 独立行政法人大学評価・学位授与機構, その他部局等, 准教授 (50432563)
大野 賢一 鳥取大学, その他部局等, 准教授 (90314608)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大学の有効性 / IR / 学生調査 |
Research Abstract |
本年度は、大学の有効性モデルにおいて、IR機能がどのように組み込まれるのかを中心に検討を行った。 具体的には、米国におけるIR活動の基本状況の確認と、学生データの把握について、文献レビューと研究会を実施した。特に、米国IR活動の実態についてはミネソタ州立Bemidji大学を訪問し、学長をはじめ執行部の方々と、IRの担当者に聞き取り調査を行った。また研究会においては、「米国におけるIR実践を通して考える日本型IR」と題した研究会を開催し、講演とディスカッションを行った。講演は訪問先のIR担当者である藤原宏司氏をお呼びし、「ミネソタ州立大学機構ベミジ州立大学におけるIR 業務とその背景について」と題し講演を行った。 また8月に行われた大学評価担当者集会において、第4分科会で学生調査の設計をテーマにワークショッププログラムを開発しそれを実施した。 その結果、1)米国IRの通常業務は定期的な教学関連データの収集と分析が中心であること2)大学の有効性モデルにおいて、学生調査の設計実施においては、リソース配分の関係から、IR室を中心とした各部署との連携が緊密であること、3)各種分析結果の改善への反映に関しては、大学個々に仕組みを作り上げること、4)そしてそれらの活動の背景にアクレディテーション機関による強い要請という背景があるが分かった。 その中で、日本型の大学有効性モデルを検討する際に、米国における大学の有効性(Institutional Effectiveness)では、学生の学習成果ないし活動結果が直接問われるのに対し、欧州の質保証(Quality Assurance)の文脈では手続きプロセスや監査の観点が強く、日本の大学の有効性モデル検討の際には、両者の混合型が求められていることが、示唆されることが知見として判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回は、調査と研究会を通じて、米国と日本の実態を把握することが目的であったが、おおむね順調に進んでいると判断する。研究会や大学評価担当者集会における分科会開催を行ったことがその理由となる。 ただ、文献レビューを通した理論や知見の整理は行ったが、論文という形ではまだ発表していない。この点については平成26年度の日本高等教育学会で報告し、論文としてまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本年度の活動を基盤に、日本の大学に適合的な、大学の有効性モデルの検討を具体的に進めることとなる。 そのために、引き続き、米国IR室等への調査を続行し、米国における大学の有効性モデルが、アクレディテーション等からどのような影響を受け、また学内のシステム開発にどの程度寄与しているのかを調査する。そして日本においては、米国と日本の置かれている違いを意識しながら、日本版大学の有効性モデルを案として作り上げ、最終年度への準備を進めることとなる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の浅野への配分額170000円が未使用となり、次年度へ繰り越すこととなった。この理由として、浅野の所属組織の変化がある。当初神戸大学で勤務していたが、年度内に大学評価・学位授与機構への異動が決まり、それに合わせ、会計上の問題から、浅野自身が配分額の使用を控えていたことがその理由である。 研究計画において、予定されていた全ての研究会等に浅野は出席し、内部の検討会にも参加していることから、研究推進において特段大きな問題は生じていない。 繰り越された額については、国内での研究会等の旅費として支出する予定でいる。額が大きくないため、2~3回の研究会や打ち合わせ等で支出可能な額である。 もちろん、次年度も大学評価担当者集会での分科会と研究会の開催を予定している。
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Research Products
(2 results)