2014 Fiscal Year Research-status Report
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25381086
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 寛人 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10188047)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育職員免許法 / CIE / 玖村敏雄 / カーレー / 教員養成 / 戦後教育改革 / 占領下の教育改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
教員資格・免許制度改革をめぐって関係者・関係団体がいかなる対応を行ったのか、CIE Records その他の米国側資料と『戦後教育資料』『玖村敏雄文書』などの日本側の文書を、敗戦から教育職員免許法が制定される1949年5月まで分析した。とくに、CIE教師教育担当官のカーレー、文部省師範教育課長の玖村敏雄、東京第一師範学校校長の木下一雄の役割を明らかにした。また、新しい教員養成カリキュラムの作成経緯を教職科目に注目して明らかにした。その結果、CIEは教職科目を重視し、教育学の向上による教員養成の質の向上を目指したことが明らかになった。具体的には、教職科目単位数の増加、教職科目の種類の増加、教職科目の質の向上、教職科目担当教員の向上、教育学の地位の向上である。 また、4年制大学における教員養成を目指し、師範学校を短大とせずに4年制大学に昇格させた。しかし、当面の教員不足に対応するため2年課程の存置を可とし、普通免許状に1級と2級を置いて、小中学校普通免許状の2級は2年課程で養成し、2級免許状取得後に必要単位を修得すると1級免許状を取得できるようにした。また、1級免許状(主免許状)の他に2級免許状(副免許状)を取得することで、2校種の免許状、2教科の免許状を取得可能とした。当初は2年課程入学者の方が4年課程より多くとも将来4年課程を主体にすることを予定した。教員免許状の有効期限については、当初(第3次案まで)は2級免許状の有効期限が5年で1回のみ更新可であったが、日教組が反対したため終身有効に改められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CIEのReport of Conference、Weekly Reportの検討により、占領下における教員養成、教員資格制度改革のプロセスのうち、従来日本側の資料では不明であった事項を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
教職科目の新増設と教育学の高度化に向けたCIEの取り組みを検討する。免許法・同法施行規則により、多くの教職科目が設定されたが、CIEのカーレーは当初からその種類と内容をあらかじめ構想していたことを明らかにする。また、CIEは4年制大学にふさわしい教育学教員の育成を行うことを目的に、IFEL(アイフェル、教育指導者講習、6週間または3か月の長期講習、米人講師)によるアメリカ教育学の普及や旧帝国大学への教育学部設置を行ったことを実証的に解明する。 研究成果を本年秋の関連学会で発表予定である。
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Causes of Carryover |
購入を希望する物品の金額が残額より高額であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の経費と合わせて有効に使用する計画である。
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