2013 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国における学校図書館の比較と発展の可能性に関する学際的研究
Project/Area Number |
25381087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
木幡 洋子 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (50315561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 英嗣 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50200415)
木幡 智子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (70580504)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報化 / 学力 / 学校図書館専門職 / 学校図書館活用 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、日本の学校図書館の現況を明らかにすることと韓国の学校図書館研究の事前準備であった。また、東アジアの学校図書館研究を行う上で、世界的な学校図書館と学力に対する概念の変化を確認しておく必要が明らかになってきたため、オーストラリアとOECDに関する調査研究も行うことになった。 日本の学校図書館研究については、本年度は特別講師として塩見昇大阪教育大学名誉教授を迎えての特別研究会と合わせて合計8回の研究を実施した。特別研究会では、日本の学校図書館研究の1990年以降の動向を鳥瞰し、それを受けて、各研究メンバー(代表・分担者・協力者)がそれぞれの領域に関しての研究報告を行った。また、現地調査として沖縄県立図書館、豊田市立堤小学校・挙母小学校・竜神中学校の視察を実施した。 韓国の学校図書館研究については、大邱大学のクオン・ユンギョン教授を訪問し、クオン教授の協力により大邱市の公立小学校・中学校・高等学校を各1校視察し、学校図書館に対する韓国と大邱市の取り組みを確認した。また、クオン教授を招聘し、韓国の学校図書館と学校図書館研究についての特別研究会を開催した。資料についてもクオン教授の協力により、基本的な資料を入手することができた。 学校図書館の世界的な動向を明らかにするための研究調査としては、豪州のビクトリア学校図書館協議会(VSLA)の協力のもと、メルボルン市の公立小学校と中学校を視察し、VSLAの名誉会員としてVSLAのweb資料へのアクセスが可能になった。また、OECD調査をOECD東京センターで行い、資料の定期送付を受けることで最新の情報の確認を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校図書館の歴史担当の研究者が私的な事情により初年度の参加が困難となったため、その領域の研究が遅れている。また、世界的な学校図書館理論の変化を正確に把握していなかったため、すでに職員論・施設論・活用論において現場における変化が急速に進んでいるという認識が乏しかったため、その点の研究と研究成果の適用が遅れている。 当初の目的からすると協力者の確保と海外研究者および機関への協力の取り付けなどの組織面での充実は予想以上に進んでいるが、前提の理論の確認が遅れたため、「おおむね順調」だと自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
学校図書館をめぐる状況が、情報化と学力観の変化に伴い現場における大きな変化を生じさせているため、その点での研究を速やかに進めながら、韓国研究における日本の学校図書館との比較要素分析を急ぎ、8月の韓国調査に備える。 8月の韓国調査は、メンバーの研究課題を研究会で確定したうえで、視察と韓国研究者との面談の手法のいずれか効率的な方法を選択して実施し、限られた研究費に対するコストベネフィットの視点をメンバーに理解してもらう。 研究会は少なくとも隔月に一度開催し、それぞれの研究成果と最新の学校図書館研究の成果を共有していき、全体としての分析枠がぶれないように留意し、また、各領域における学問水準のチェックと成果の公表のため、学会や研究会における発表を計画的に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
沖縄県の学校図書館調査を実施する予定であったが、時間的な折り合いがつかず、次年度に調査を先送りせざるを得なくなったため、旅費に残高が64,298円出た。 また、残高のうち522円は次年度に購入予定の文房具に回すために未執行とした。 64,298円は、前年度行うことができなかった沖縄調査旅費として執行する。 その余りの522円は今年度の文具購入代金に補充する。
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