2014 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国における学校図書館の比較と発展の可能性に関する学際的研究
Project/Area Number |
25381087
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
木幡 洋子 愛知県立大学, 教育福祉学部, 名誉教授 (50315561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 英嗣 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50200415)
木幡 智子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (70580504)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 学校図書館政策 / 情報化 / 学校図書館活用 / 学校図書館支援 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
二年次の研究目標は韓国学校図書館の総合的な把握であり、現地訪問調査と韓国研究者からの聴き取りを実施した。訪問前調査として、韓国教育学術情報院の論文検索サイト(RISS)を用いた韓国学校図書館研究論文のリスト化を行い、韓国での学校図書館研究の概要を把握した。リストは、分担者と協力者の研究分野についてであり、①情報化 ②活用状況 ③運動と法政策 ④学校図書館支援状況について、であった。 論文リストを基に韓国研究者のリストを作成し、大邱大学のクオン・ユンギョン教授の指導のもとに絞り込みを行い、公州大学、啓明大学、慶一大学の図書館情報学研究者と大邱大学のクオン教授から直接レクチャーを受けることにしたが、啓明大学のキム・ジョンスン教授の尽力により、同大学において9月19日に日韓研究者交流のフォーラム「学校図書館フォーラム」が開催された。フォーラムには韓国の学校図書館研究者10名以上の参加を得ることができ、日本側の参加者5名との間で両国の学校図書館と学校図書館研究についての報告と意見交流を行うことができた。 また、フォーラムに先立ち、学校図書館先進校である大邱市の公立小学校(ドンソン小学校)と公立中学校(キョンウン中学校)、韓国教育学術情報院(KERIS)、公共図書館(東部図書館)を訪問し、実際の情報化、整備、運用、利用の状況について視察を行った。 こうした視察と研究者との意見交流により、日本と韓国の類似点と相違点を把握することができた。類似性は、学校図書館が調査・探究のために十分に活用されていないことであり、それと関連して担当職員(司書教師・司書教諭・司書)の配置が十分でないことであった。相違点は、情報化政策に対する国の取り組みが韓国ではKERIS法により総合的に行われていることに対し、日本は省庁の縦割りにより総合的な取り組みとなっていないことをあげることができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
韓国の学校図書館研究者の協力を得ることができたため、基礎的な韓国の教育状況と学校図書館研究について的確かつ十分な情報を得ることができるようになり、日本と韓国の学校図書館比較を議論に基づき適切に行うことが可能となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年次の研究は、以下の項目においてそれぞれの方法に基づき行う。 1.日本の学校図書館をめぐる現状を、法と政策、情報化、活用、支援、歴史の分野においてまとめる。 方法は、日本教育学会を初めとする分担者、協力者の所属学会における発表をもとにした各自の執筆分担を6月の研究会において決定し、秋までに主要学会発表と論文骨子を決定する。最終原稿は、2の韓国研究を含めた報告書用原稿作成をリポジトリ掲載原稿として完成させると同時に、出版助成申請用原稿の粗稿としての位置づけのもとに本科研終了後も引き続き執筆活動は継続させる。 2.韓国の学校図書館の研究動向を大邱大学、啓明大学、公州大学の学校図書館研究者との交流により明らかにする。 方法は、韓国研究者への韓国学校図書館研究動向と韓国学校図書館史についての執筆を依頼すると同時に、当該原稿をもとにした日本と韓国との比較検討を行い、本研究の主題である日本と韓国の学校図書館研究における課題と協力の可能性を分析し、報告原稿と出版助成申請に備えていく。なお、韓国研究者との交流と協力関係は、本研究終了後も引き続き継続することを課題とする。
|
Causes of Carryover |
韓国研究者との研究協力関係をつくることに成功したため、最終年次には、協力関係を研究成果に結びつけるための韓国研究者との研究会開催、そのための旅費、提出されたハングル論文翻訳費用が必要となる。また、個人研究費での購入ができなくなった法律判例サイトの購入費、および学会への協力者の参加と会議費も必要となり、それらに充当する。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査未実施となった沖縄の調査を実施する。
|
Research Products
(7 results)