2013 Fiscal Year Research-status Report
義務教育制度の再編政策に関する実証的研究―教育年限延長時における政策過程の分析―
Project/Area Number |
25381088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
柏木 敦 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (00297756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育史 / 義務教育年限 / 二重学年制 |
Research Abstract |
本年度は奈良県、富山県を調査対象地域とし、奈良県立図書情報館所蔵史料、富山県公文書館、富山県立図書館所蔵史料の調査を行い、関係資料を収集することを計画していた 。奈良県立図書情報館では義務教育年限延長準備ならびに実施当時の郡役所文書、県行政文書を調査する。富山県立公文書館、富山県立図書館では、義務教育年限延長の直後に制度化された小学校の二重学年制導入・実施に関わる史料の状況を調査する予定であった。 史料収集は奈良県立図書情報館所蔵史料に所蔵されている明治期行政文書を対象に行った。同館に所蔵されている第二次小学校令施行期、および義務教育年限延長期における小学校運営に関わる行政文書、郡役所文書などの史料をデジタルカメラにて撮影し、400枚超の画像を確保した。ただしこれでも閲覧し、かつ必要と判断した史料のすべてを撮影・確保したわけではないので、引き続き調査・史料確保の作業を続ける。 なお奈良県立図書情報館に所蔵されている関連資料が見込んでいたよりも膨大であり、かつその解読を継続中であるため、今年度予定していた富山県(富山県公文書館、富山県立図書館)の調査活動を行うことができなかった。ただし実際の調査に赴くことはできなかったものの『富山県行政文書目録』(全3冊)を入手することができ、兵庫県立大学学術情報館を通じて、富山県立図書館に所蔵されている史料を取り寄せ、予備的な調査ならびに史料収集を行うことができた。これらの予備的な調査および史料収集ができたことにより、調査計画を若干変更はするものの、今後富山県の調査を円滑に進めることが可能であると展望している。 また第32回日本教育史研究会サマーセミナーにて史料収集・保存・公開の方法について報告を行い、教育史学会大会に出席して、研究に関わる情報収集および意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」でも触れたとおり、奈良県立図書情報館に所蔵されている関連資料が見込んでいたよりも膨大であり、かつその解読のための時間もかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
奈良県の調査を終え、『富山県行政文書目録』(全3冊)による下調査を踏まえて富山県(富山県立公文書館、富山県立図書館)の史料調査を行い、同県における二重学年制の導入・実施の過程および形態の検討を進める。また可能な限り当初の研究計画に沿うよう、山口県の調査も行い、同県における義務教育年限延長時、すなわち1908年前後における郡役所文書教育関係資料ならびに県行政文書を収集したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画において、基礎資料として購入を予定していた『日本近代教育史料大系』(公文類聚、龍渓書舎、予価段階で650,000円、当初は平成25年度内に刊行予定)が、年度内に刊行されなかった。大型図書であり、かつ研究遂行のために購入は必須なので、次年度以降の購入を期して代替の資料購入には充てなかったためである。 『日本近代教育史料大系』の刊行開始とともに同資料集を購入し、差額分を適正に使用する。
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Research Products
(3 results)