2015 Fiscal Year Annual Research Report
幼保一体化施設における子どもの育ちを支える保育の質と構造に関する研究
Project/Area Number |
25381098
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
高嶋 景子 田園調布学園大学, その他の研究科, 准教授 (90369463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 清美 田園調布学園大学, その他の研究科, 教授 (00158007)
松山 洋平 和泉短期大学, その他部局等, 准教授 (00586422)
三谷 大紀 関東学院大学, 教育学部, 講師 (40458609)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幼保一体化 / 保育の質 / 構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる今年度は、縦断的研究として継続している2つの幼保一体化施設における参与観察と保育カンファレンスを継続しつつ、そこから見えてきた成果の整理と次年度の学会発表に向けたまとめを行った。 多様な保育者、多様な保育場面、そして多様な経験年数や保育時間等の背景が異なる子どもたちにより形成される多様な集団により、重層的に織りなされている幼保一体化施設の保育の場において、特定の子どもたちや仲間集団、その遊びの変容過程に焦点を当てて収集した事例の分析を行った結果、重層的な場の持っている意義として下記のようなものが確認された。 (1)多様な保育場面や集団が存在することにより、子どもたちにとっては、それぞれに自分なりのかかわりやすい場や対象、かかわり方(「参加」の仕方)を探るための幅が広がり、結果として、多様な自己発揮の場の保障や「参加」の仕方の発見に繋がっていく。 (2)保育者にとっても多様な保育場面や集団が存在することは、自分の担当している場面以外の子どもの姿に出会ったり、その情報を得られる機会の増加に繋がり、子どもを多面的に理解していくための手掛かりとなったり、自分自身の子どもへのまなざしや保育実践を省察的に振り返るための契機ともなっていく。 ただし、単に重層的な場が存在しているだけでなく、幼保一体化施設が、子どもたちや保育者にとって、このような意義のある場となっていくためには、それらの重層的な場が有機的な繋がりを持ち、それぞれの場における子どもたちの姿(そこで見られる育ちや課題)を共有し、そのことの意味を共に探究していくための園の体制や仕組みづくりが必要となることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)