2014 Fiscal Year Research-status Report
チャータースクールによる公教育体制再構築に資するオーソライザー・モデル開発の研究
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25381103
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
湯藤 定宗 玉川大学, 通信教育部教育学部, 准教授 (20325137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 昌之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60208981)
大倉 健太郎 大阪女子短期大学, 幼児教育科, 教授 (10266257)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育学 / チャータースクール / アメリカ合衆国 / 教育改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、チャータースクール(以下CS)のオーソライザーの適切なモデル開発に関して、以下のことを明らかにした。 平成26年度は、ルイジアナ州ニューオーリンズ市のCSを取り上げ、CSのオペレーターであるChater Management Organizations(CMOs)のCS運営から次のことを明らかにした。ニューオーリンズ市を取り上げた理由は、2013年度ニューオーリンズ市内の公立学校87校のうち76校がCSであり、87.4%の公立学校がCSであり、この割合は、公立学校全体に占めるCSの割合が米国において最も高いからである。また州法を確認する限り、ルイジアナ州ではオーソライザーの制限が強いにも関わらず急速にCSが普及しており、その要因としてCMOsの存在に着目し、本年度は研究を進めた。事例としてオペレーターの一つして三つのCSを管理しているChoice Foundationを取り上げ、現地調査から次の点を明らかにした。 第一にChoice FoundationによるCS運営の実績についてである。2007年度に開校したLafayette Academyは、複数の賞を獲得するほどの実績を上げている。また2010年度に開校したEsperanza CSの校長も2015Principal of the yearのファイナリストの一人に選ばれている。 第二に上記のような成果を上げている要因についてインタビュー調査等を通して明らかにした。各CSの学校長や教員によれば、Choice Foundationは教育現場に教育の自由を保障してくれていることを指摘していた。同様の見解は、Choice Foundationへのインタビューにおいても示されていた。つまり、教育成果を上げている要因として、教育現場の自由が保障されていることが重要であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に、先行研究のレビュー及び前年度の調査データの分析については計画通り研究を進め、9月に実施した現地調査(ミネソタ州・ルイジアナ州)を通して質的調査も計画通りに進めることができた。 第二に、学会発表についても、10月に開催されたアメリカ教育学会第26回大会において「米国チャータースクールによる公教育体制の再構築に関する研究Ⅲ-ルイジアナ州ニューオーリンズ市を事例として」というタイトルで発表を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、平成27年度においてもミネソタ州やルイジアナ州のCS及び関係機関への実地調査を実施し、CSのオーソライザーモデルの適切なモデル構築に資する情報収集を行う。 また、その研究成果をアメリカ教育学会等の学会にて報告する。
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Causes of Carryover |
繰り越し金が発生した主たる理由は、平成26年度に前倒し支払請求として100000円を行ったが、当初想定していた100000円はかからなかったことから、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の使用計画としては、最終年度ということもあり、例年よりは多くの学会、具体的にはアメリカ教育学会、関西教育行政学会等において発表をする予定であることから、国内旅費が当初の計画よりかかることが予想される。したがって、次年度使用額を消化することができると考えている。
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