2014 Fiscal Year Research-status Report
認可外保育施設の保育の実態調査と保育内容に関する研究
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25381111
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
大西 薫 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80616532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 将史 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (20568498)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認可外保育施設 / 小規模保育施設 / ベビーホテル / 家族支援 / 保育内容 |
Outline of Annual Research Achievements |
認可外保育施設がいわゆる待機児童問題の受け皿になってきたことは以前から指摘されてきている。しかし,実際どのくらいの割合の子どもが認可外保育施設で保育を受けているのか,利用者の属性についてなど,その実際はは数値として明らかにされてこなかった。 そこで本研究は,日本の乳幼児がどのような幼児教育および保育を受けているのか,学校基本調査(文部科学省,2011),地域児童福祉事業等調査(厚生労働省,2010),人口統計などの調査の指標を分析しまとめた。その結果,認可外保育施設に入所している割合は0歳児17.2%,1歳児14.7%,2歳児13.7%,3歳児6.8%,4歳児3.2%,5歳児2.6%,6歳児3.1%であり,0~2歳児の認可外保育にいる子どもの割合は3~6歳児の約4倍であった。また,地域児童福祉事業等調査(2011)から親の属性を分析した結果,ベビーホテルの利用者割合は一般的な家族と比べ片親もしくは母親のみの場合のほうが有意に高かった(ohnish & onishi,2014)。 これらの結果は,昨年行った岐阜県内のベビーホテルへの聞き取り調査とおおよそ合致するものであった(未満児保育中心,片親および外国籍,親の経済的職業的不安定など)。このように,認可外保育施設は乳児保育を担っているとともに,いわゆるハイリスクな家族を支援している側面が明らかになった。 今後は認可外保育施設(特にベビーホテルに関する)全体像の把握に努めるとともに,そこで行われている保育実践を詳細に分析する。また,認可外保育施設への教育的支援も視野にいれた調査研究を継続して行ってく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた認可外保育施設の概要とその利用者の属性に関して,厚生労働省が行った調査から使用許可を受けデータ分析を行えた。また,ベビーホテルへの聞き取り,保育内容の観察を行うことができた。 しかし予定していた岐阜県内の保育施設【その他・ベビーホテル】を対象とした質問紙調査の実施が遅れている。岐阜県内の認可外保育連盟との連絡は引き続き行っているので,平成27年度には実地,取りまとめを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
認可外保育施設に関する基本データが概ねそろったため,その成果を論文として公表する。特に平成27年度は岐阜県内の認可外保育施設【その他・ベビーホテル】を対象とした質問紙調査を行っていく。また,平成27年4月にスタートした「子ども・子育て支援新制度」によって,認可外保育施設の何が変化したのか,もしくは変わらない点などを含めて現状を明らかにしていく。 認可外保育施設は乳児保育の歴史といっても過言ではない。しかし,乳児死亡事故などで注目を受ける認可外保育において,その保育内容の現状を明らかにし,論文として公表する。そこでの知見を基に,今後は認可外保育施設への教育的支援も視野に入れ考えていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度はベビーホテルへの聞き取り調査が近隣で可能となり予算を使う必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は,聞き取り調査する施設を増加していため,交通費・謝金などで予算を使用する。また,国際学会(第25回ヨーロッパ幼児教育学会)への参加およびポスター発表予定である。
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