2015 Fiscal Year Research-status Report
認可外保育施設の保育の実態調査と保育内容に関する研究
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25381111
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
大西 薫 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80616532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 将史 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (20568498)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認可外保育施設 / ベビーホテル / 一時保育 / 乳児保育 / ハイリスク家族 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の待機児童数は23,167人で,様々な待機児童対策を行っているにも関わらず,5年ぶりに1786人増加している(2015年,厚生労働省)。平成27年4月に子ども・子育て支援新制度が施行され,日本の乳幼児期の保育・幼児教育のありかたが大きく転換した。そういった中,認可外保育施設が待機児童解消に期待される役割は大きい。 本研究では,認可外保育施設が乳児保育を担っている(0~2歳児の割合が3~6歳児の割合と比べて約4倍)こと、ハイリスクな家族を支援している側面があることが明らかとなった。特にベビーホテル利用者割合は一般的な家族と比べ、片親もしくは母親のみの場合のほうが有意に高かった(Ohnishi & Onish,2014)。これらの結果を受けて、認可外保育施設の中でもベビーホテルに着目し、そこで行われている保育実践を観察するとともに、待機児童がゼロと公表されている地域の都市部にあるベビーホテルと郊外にあるベビーホテルの比較検討を行った。 ベビーホテルの利用者の属性は、都市部ではハイリスク家族が多く、郊外でも日中利用者にはその傾向が見られた。ベビーホテルは不適切な養育や虐待疑いの親に対するセーフティネットの役割を果たしていた。夜間利用については、都市部では風俗やナイトクラブ勤務などの職業が多いが、郊外では専門職(例えば、通訳、出張を伴う職業)や、ショッピングセンター勤務者など、安定した職業の利用者も見られた。また、都市部のベビーホテルでは公的な補助金を得ている一方で、郊外ではそれがなかった。子どもの長期休暇期間や週末、祝祭日には一時保育の利用者が増加することが両施設に共通していた。(Onishi & Ohnishi,2015)。 今後、アンケート調査を実施・分析し、過去に利用していた保護者との面接調査を通して、利用者にとってのベビーホテル(認可外保育施設)の意義を捉えていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認可外保育施設の中でもベビーホテルに着目し、定期的に観察、聞き取りを行っている。 平成27年に行う予定であった認可外保育施設に対する質問紙調査は、妊娠・出産をしたため、研究が滞ってしまった。平成28年に実施、とりまとめを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
認可外保育施設【その他・ベビーホテル】を対象とした質問紙項目がまとまったため、平成28年度中に実施、分析をおこない、その成果を論文として公表する。特に、過去に利用していた保護者にとって認可外保育施設がどのような機能を果たしていたのかを調査することは、施設職員の協力が不可欠であると同時に、職員にとっても日頃の保育を明らかにする上で意義が大きいと考える。
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Causes of Carryover |
平成27年に行うはずであった質問紙調査が妊娠・出産のために実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年に質問紙調査を行う。それに伴い、調査協力費(質問紙作成協力費・研究協力費)としての謝金、質問調査実施に係る経費として使用する。
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