2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381121
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
両角 亜希子 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50376589)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 大学 / ガバナンス / 学長 / 教授会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、私立大学のガバナンスについて、国内の事例研究と国際比較研究を通じて実態を明らかにし、今後の望ましい改革の方向性について検討することである。平成27年度は、以下の点についての研究を行った。
第一は、これまでに引き続き、国内の私立大学の事例研究の実施である。とくに、大きな経営判断と統治能力が必要となる合併の事例に焦点を当てて、資料を収集し、関係者に対するヒアリングを行った。 第二は、本研究が大学単位ガバナンスと同時に着目している、大学集合ガバナンス(政府との関係、大学団体の役割等)について、文部科学省や大学団体と意見交換を行った。 第三は、既存のアンケート調査の再分析である。教員調査、上級管理職調査、教育改革実態調査等の再分析を通じて、教授会の強さ、学長のリーダーシップの在り方、学長の選考方法等が与えている影響を多面的に分析を行った。少なくとも現状において、ガバナンスの在り方は改革の進捗度に直接的な影響を与えていないこと、むしろ、経営人材の育成、IRなどの学内情報の分析の充実、教職員の研修の効果の方が大きいことなどが明らかになっている。 第四は、海外状況についての情報の収集である。韓国については、韓国語論文や韓国大学新聞等の収集を行い、現在、整理中である。中国については、訪日中の中国人研究者から、変化が起きつつある現状についてのヒアリングと意見交換を行った。既存資料・研究の整理を行う予定の英・米については、資料を収集中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訪問調査、海外調査が、研究代表者の事情で予定通りに実施できなかった。その代わりに既存の調査、資料を収集、分析して、一定の成果を上げているが、研究成果という形にまでつながっていない内容も多く、やや遅れていると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
国内については、事例収集、ヒアリングをかなり重ねてきたが、これを整理し、総括することがまず必要な作業である。 国外については、やや作業が遅れがちであるが、日本の私立大学の比較対象として研究代表者が最も重要と考えている韓国について、とくに力を入れて、日韓比較により、何らかのインプリケーションまでつなげたい。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は、産休・育休で研究を中断し、当該研究の1年間の期間延長を認められたため。 また、先述の説明の通り、訪問調査等が予定通り行えなかったため、平成28年度に実施予定であるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施ができなかった海外調査に関連して使用する予定である。
|
Research Products
(5 results)