2014 Fiscal Year Research-status Report
テキスト分析によるグローバルかつ汎用的な学習成果設定-デンマーク・英・日調査-
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25381125
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀井 祐介 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (30304041)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学習成果 / 専門分野別教育プログラム / テキストマイニング / コーパス / コンコーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度に収集したデンマークakkrediteringsrapporter og afgoerelser(教育プログラムアクレディテーション結果報告書)835件、英国QAAのSubject benchmark statements explaining the core competencies at honours degree level(優等学士課程分野別中核能力)59件、TUNING Educational Structures in Europeのspecific competences13分野を比較、調査し、共通7分野(化学、教育学、歴史学、言語学、数学、物理学、神学)を対象とした分析をコンコーダンスソフトウェアAntConcで行い、頻度、単語間の共起関係(Collocation)、語と語のつながりなどを調査した。また、外部有識者の協力の下、上記資料の日本語翻訳を進めるとともに、学生アルバイトを活用し、日本の大学における学習成果記述(国大協加盟86大学、公大協加盟12大学、私大連加盟121大学)の収集も開始し、テキストマイニングソフト(Trustia)での分析対象拡大および日本語での比較調査準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画で示した「1. 分析対象となる教育プログラム一覧を作成する。2. 作成した一覧から比較可能な学問分野を特定する。3. 特定された教育プログラムにおける学習成果記述部分のテキストデータをダウンロードする。4. ダウンロードしたデンマーク語、英語テキストを翻訳し、訳語の調整を行う。5. テキストマイニングソフト(Trustia)にサンプルデータを入力し、主題分析、用語(単語)傾向把握、用語(単語)別の出現頻度分析、用語(単語)の共起分析、用語(単語)のグループ化および語彙分布分析などの分析手法に有効性の観点から順位付けを行う。」の5つのポイントについて、1. 2. については完了しており、また3.についても日本の大学での事例を収集中である。4. についても術語、訳語の確認、翻訳作業は完了している。5.についてもテキストマイニングソフトおよびコンコーダンスソフトを活用し、デンマークおよびQAA、TUNING資料に関する分析に取りかかっており、客観的データに基づきグローバルかつ汎用的な学習成果一覧を作成するという研究の目的に向けて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度における作業として、7分野におけるデンマークおよびQAA、TUNING資料の原語のままでのテキスト分析を進める。また、これら資料の日本語翻訳と日本の大学での学習成果記述を合わせたコーパスを作成し、それに対するテキスト分析を進め、客観的データに基づくグローバルかつ汎用的な学習成果一覧作成を目指す。 より具体的には、原語データに関しては用語(単語)傾向把握、用語(単語)別の出現頻度分析、用語(単語)の共起分析、用語(単語)のグループ化および語彙分布分析等のテキスト分析を進める。日本語データに関しては、学生アルバイトを活用し、日本の大学における学習成果記述収集をつづけ、既に翻訳済みのデンマークおよびQAA、TUNING資料と合わせたコーパスに対して、同様のテキスト分析を行う。
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Causes of Carryover |
デンマークへの調査旅費が申請時想定額より下がったことと、学生アルバイト依頼作業の一部を自ら行えたことにより人件費・謝金支出が少なく抑えられたこと、無料で優れたコーパスソフトを使ったことにより、全体での支出が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費・謝金は、デンマーク語資料の翻訳精度を上げるため外部有識者への翻訳謝金、学生アルバイトによる日本の大学における学習成果記述収集に使用する。旅費は、日本高等教育学会での成果発表、その他、大学教育学会、日本高等教育質保証学会等での関連情報収集に充てる。物品費は、研究成果報告、研究成果データ配布用メディアの購入に充てる予定。
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