2015 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における中国と米国・英国・オーストラリアの国際教育連携に関する研究
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25381130
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 千晴 神戸大学, 留学生センター, 准教授 (30432511)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高等教育 / 国際化 / 国際教育連携 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国と米国、英国、オーストラリアの高等教育における国際教育連携の展開について比較検証を行うことを通して、日本の高等教育における国際教育政策を考案する上での示唆を得ることを目的としている。 本年度は、米国の州立大学及び豪州の国立大学と中国の主要大学が協働で設置している理工系分野の国際連携教育機関を調査対象として選定し、米国側、豪州側の大学関係者及び国際連携教育機関で学んだ経験を持つ学生を対象とした聞き取り調査を実施した。従来の先行研究において、トランスナショナル高等教育の提供側の主たる動因は、経済的動因(授業料収入の創出)、雇用の創出、高等教育ネットワークの創出、ホスト国での当該大学のプレゼンスの向上といった点が挙げられている。今回の聞き取り調査で研究対象とした研究型の米国や豪州の主要大学では、従来指摘されていた動因よりもむしろ、中国に設置した国際連携教育機関を所属大学の学生・教員の中国での学習・研究の拠点としての機能の拡充や、ジョイント・ディグリ、ダブル・ディグリプログラムなどの枠組みを通した優秀な中国人学生のリクルートなどを主たる動因として、国際連携教育機関設置・拡充していることが明らかになった。新たな構想としては、中国に設置している国際連携教育機関を、中国の優秀な研究者との共同研究の拠点として発展させていくという動向が見られる。中国の大学の研究水準の向上に伴い、国際連携教育機関は、教育中心のものから、教育だけでなく、中国の研究者との国際共同研究の拠点として、更に機能を拡充していく計画が確認できた。 今年度は、2015年6月に宇都宮大学にて開催された日本比較教育学会で、本研究成果の一部を発表した。2016年3月にはメルボルンにて開催されたAPAIE Annual Conference 2016に参加し、次年度以降の調査対象者との連絡調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定してた聞きとり調査、資料収集、調査対象先の関係者との連絡調整など、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、本研究課題の最終年度となる。2016年度前半は、引き続き、調査対象校における聞き取り調査などを進める。平成28年度後半は、調査結果の分析及び研究成果のまとめに取り掛かり、国際学会での発表やジャーナルへの論文投稿など、研究成果の発信に務める。
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Causes of Carryover |
平成28年3月に予定していた中国調査・資料収集のために残していた出張旅費を、他の業務の出張旅費で支出することが可能となったため、一部研究費を次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に予定している中国上海・蘇州での調査旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)