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2014 Fiscal Year Research-status Report

アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 25381134
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

竹熊 尚夫  九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (10264003)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsアジア / オーストラリア / 高校 / 大学 / 日本語教育 / アーティキュレーション(接続) / 教科教育 / 中国
Outline of Annual Research Achievements

オーストラリア調査では訪問面接調査を基にオーストラリアの国際的高大接続を類型化しつつある。オーストラリアの場合、教養大学よりも、専門課程を重視した日本の大学とカリキュラム上は類似しているが、英語教育を伝統的に大学内外の英語教育機関と連携させ、留学生を受け入れるクッションとしていた経緯を持つ。これを現在は、基礎課程(ファウンデーションプログラム)として高校の科目の不十分な箇所を補習させ、また、専門課程の学部コースからは必要な科目指定をファウンデーションプログラムで埋め合わせている。これ以外に、TAFEやVTEなどの学士課程の下部と重複したディプロマ課程があり、この課程を修了していくことで、編入(transition)が可能となるルート(pathway)を可能とさせていることが明らかとなった。また、ファウンデーションプログラムは現在も発展中であり、外注英語学校から学内での資金確保としても可能性を持つ同プログラムが増加しつつある。
広州調査は、上海北京調査を補充するための調査であり、特に英豪国際学校では、中国最初の民間国際全寮制高校として、イギリスAレベルプログラムの準備教育の実施状況と学習内容、学生の入学から卒業に至る生活学習状況等について情報を収集した。AレベルはIBやSAT等と比べて、カリキュラムや指導法評価の拘束性が弱く比較的柔軟に教育ができ、世界的にも汎用性を持ち、また華南師範大やその他国際学校と連携したネットワークが築かれていることが明らかとなった。華南師範大学では民間教育機関と英国CIEとの協力の下、Aレベルの研究センターで海外への中国人学生の送出しを行っていることが明らかになった。
この他、数学と化学の中日の単元整合表を作成し、数学に関してはJSTの中国研究に関するインターネットのページに掲載した。化学は中間報告書に掲載している。物理版を作成中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

オーストラリア調査については8大学・機関を訪問し、上述のような多様な留学の受入形態を明らかにすることができた。また、中国広州の高校調査と華南師範大学調査を実施し、Aレベルによる新たな進学形態と接続機関を確認することができた。
また、数学についてはその成果を中国側にも提示したほか、日本国内でも公開している。日本国内での日本語学校や大学調査は十分な協力を得にくいが、次年度には本年度作成した中間報告書に掲載した化学でも数学と同様、国別の相違を照合表を基に明らかにすることができた。現在作成中の物理の単元表を示しつつ更なる調査協力対象を探す予定である。
中間報告書は、中国とオーストラリアの訪問調査の概要と学力資格認定に関する海外の動向、現段階での類型化を試みている。中間報告ということもあり、詳細な分析をすすめると共に、中間報告書を基に、様々なコメントを集め、次年度のマレーシア調査を加え、最終報告書を作成することとしている。

Strategy for Future Research Activity

本年度はマレーシア調査を実施する。マレーシアの公立学校、中華独立中学、私立学院の三種の学校別に、高校段階での学習状況は教科書とシラバスを収集し、私立学院では高大の国際的接続の状況を訪問調査する。ここで明らかになった情報を既存の単元整合表にマレーシア版を加える。
上記の数学と理科(化学、物理)の単元整合表の整理と共に、「クリティカル・シンキング」について、IB、Aレベルなどでの把握状況を調査する。また、AACRAOやNARIC、NAVITAS、U-LINKなどの海外の高校教育情報提供機関についても情報収集を継続する。
この他、調査計画には無かったモンゴルやベトナムの教育状況についても、本研究課題のニーズが高いと思われるため、協力者と協力校(モンゴルの場合さくら高校が候補校)を探し、日本語・科目教育の実態と高大の接続の可能性を検討する。
研究成果については、最終報告書を作成すると共に後学期以降での各種学会等での発表を準備する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2015 Other

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (5 results) Remarks (2 results)

  • [Presentation] 中国人留学生と日本人学生の「比較」-相違を越える知識と枠組みを目指して-2015

    • Author(s)
      竹熊尚夫
    • Organizer
      中国上海外国語大学・同済大学共同研究会
    • Place of Presentation
      中国同済大学
    • Year and Date
      2015-03-14
    • Invited
  • [Book] 「アジア・オセアニアにおける国際的高大接続の展望と課題」『アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究 中間報告書』2015

    • Author(s)
      竹熊尚夫(研究代表者)
    • Total Pages
      1-4
    • Publisher
      ミドリ印刷
  • [Book] 「海外高校と日豪の大学との接続:高校の学習実態と高大接続の構造」『アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究 中間報告書』2015

    • Author(s)
      竹熊尚夫(研究代表者)
    • Total Pages
      85-100
    • Publisher
      ミドリ印刷
  • [Book] 「中国における高校、送り出し機関、大学の事例」『アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究 中間報告書』2015

    • Author(s)
      史媛媛(研究協力者)
    • Total Pages
      17-40
    • Publisher
      ミドリ印刷
  • [Book] 「オーストラリアにおける受入機関、大学の事例」『アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究 中間報告書』2015

    • Author(s)
      朱静ブン(研究協力者)
    • Total Pages
      41-76
    • Publisher
      ミドリ印刷
  • [Book] 「欧米諸国の大学におけるアジア人留学生の位置づけ-国際的な資格・成績認証ネットワークを中心に-」『アジア・オセアニアにおける高大の国際的接続に関する調査研究 中間報告書』2015

    • Author(s)
      花井渉(研究協力者)
    • Total Pages
      101-114
    • Publisher
      ミドリ印刷
  • [Remarks] 中国の高校から日本の大学への留学:高校数学の学習単元の整合表の試み(その1)

    • URL

      http://www.spc.jst.go.jp/hottopics/1409/r1409_takekuma1.html

  • [Remarks] 中国の高校から日本の大学への留学:高校数学の学習単元の整合表の試み(その2)

    • URL

      http://www.spc.jst.go.jp/hottopics/1409/r1409_takekuma2.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

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