2016 Fiscal Year Annual Research Report
Opportunities for disadvantaged students to continue and complete secondary education:The development of Pathways to Education Program in low income community in Ontario
Project/Area Number |
25381143
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
佐藤 智美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (80240076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (30212294)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パスウェイズ・トゥ・エデュケーション / パスウェイズ・プログラム / リスク生徒 / 中等後教育 / 進路保障 / 学習会 / 勧修中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まずカナダ・オンタリオ州の歴史上はじめての貧困削減対策である『連鎖を断つ(Breaking the Cycle)』について調査し、その成立に至る経緯から内容、対策の進捗状況を測定する指標について理解を深めた。特に 教育機会の保障は貧困の連鎖を断つ重要な鍵と捉えられている。その中でも、中等教育修了と中等後教育への進学は子どもの将来の可能性を開く重要な要因である。低所得コミュニティの子どものこのような機会は支援なくしては保障されないことも明確にされている。 パスウェイズ・トゥ・エデュケーションは、2001年より低所得コミュニティのリスク生徒を対象に地域基盤で包括的な支援を実施してきた。その成果は注目に値し、短期間にリスクを抱えた生徒の中等教育修了と中等後教育機関への進学状況を改善してきた。このパスウェイズ・トゥ・エデュケーションの支援内容と方法、成果について調査し考察した。パスウェイズからは地域基盤の包括的支援について多くの示唆をえた。 研究の最終年度には、GIS(地理情報システム)を利用して国内の子どもの貧困に関して、京都市と埼玉県内の自治体における生活保護と就学援助の受給者数をもとに、その状況を地図上に示した。生活保護については総世帯数に対する受給世帯数の割合、就学援助については総児童生徒数に対する受給者数の割合によって、京都市内および埼玉県内の自治体が色の濃淡によって地図上に区別され、視覚的にその状況が理解できるようになっている。 これらの結果は、山科青少年活動センターでの子どもの貧困に関する研修会において報告し、来場者の認識を深めた。 また、埼玉県内の自治体に関する地図については、埼玉県坂戸市における教育委員長をはじめとした職員との会議において報告し、市内の子どもの貧困状況を把握するための詳細な調査が必要であることの認識を参加者間で共有した。
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Research Products
(1 results)