2014 Fiscal Year Research-status Report
発達障害傾向で就業困難が予測される学生に対する診断によらない支援研究
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25381147
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
肥田 幸子 愛知東邦大学, 人間学部, 准教授 (90465592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 篤実 愛知東邦大学, 教育学部, 教授 (10320962)
鈴木 美樹江 金城学院大学, 人間科学部, 助教 (20536081)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ASD傾向学生 / スクリーニング / 尺度作成 / 就業支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究概要は、ASD傾向学生の特性理解とスクリーニングのための査定研究が主となった。1.ASD傾向の生徒・学生の特性と学校不適応の関連に関する研究。2.「見通し力」尺度の作成。3.ASD傾向学生の就業力に関する予備研究を実施した。 1.以前より行っていた学校不適応と発達障害の関連に関する研究を本テーマの「見通し力」研究の予備的な段階とみなし、調査・分析を行った。この結果は、日本学校メンタルヘルス学会に投稿し採用された。平成27年8月発刊の「学校メンタルヘルスVol.18(1)」に掲載の予定である。途中の経過については平成26年8月の日本臨床心理学会において発表した。 2.「見通し力」尺度に関しては、A大学において、1回目、平成26年7月、学生165人、2回目、同年9月、学生172人を対象として調査を実施した。分析の結果、「見通し力」尺度の内的整合性、再検査信頼性、基準関連妥当性、構成概念妥当性が証明され、「見通し力」尺度はASD傾向学生をスクリーニングする尺度として有用であることが明らかとなった。この結果については現在「小児保健研究」に投稿中である。途中の経過については平成27年8月の日本教育心理学会、9月の日本臨床心理学会において発表の予定である。 3.ASD傾向学生の就業力に関しては既存の就業レディネス尺度では測りきれない部分もあり、尺度作成の検討を始めた。堀がNPO法人アスペ・エルデの会メンバーから、肥田は障害者就労移行支援事業所や愛知県新卒応援ハローワークからインタビューを行った。質問項目の作成を行い、平成27年1月には予備調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25,26年度はASD傾向学生の特性を踏まえた「見通し力」尺度の作成が目的であった。この目的のため、まずは障害特性に関する研究を行い、「学校メンタルヘルス」に発表することが可能になった。次は「見通し力」尺度の作成に取りかかり、2回の調査と分析を経て、作成している尺度の信頼性と妥当性が証明された。この研究に関しては現在学会誌に投稿中である。また、ASD傾向学生の就業力に関する尺度の作成にも現在第1回調査が完了している。第2回目調査は平成27年5月に予定している。これらの進捗状況から研究は概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はASD傾向学生の就業力に関する尺度の作成を平成27年8月頃には完成させ、「見通し力」尺度の一部として組み込むつもりである。全体の尺度が完成したところで学生のスクリーニングを行い、就業に関して要支援のASD傾向学生を抽出する。 支援方法については現在、尺度開発と平行して進めている。具体的には障害者就労移行支援所と連携した方策を検討中である。
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Causes of Carryover |
調査データを打ち込むために予定していた人件費が未使用となっている。これはデータの処理をデータ読み込み機で処理できたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画よりも発表の機会に恵まれ、本年度は研究協力者と学会発表が決定している。教育心理学会,於新潟であるため、旅費に使われる。
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