2013 Fiscal Year Research-status Report
教育開発における東南アジアモデルの構築-南南教育協力への適用-
Project/Area Number |
25381148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
村田 翼夫 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (10000085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 敏伸 東邦大学, 理学部, 准教授 (30385942)
野津 隆志 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (40218334)
鴨川 明子 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40386545)
中田 英雄 筑波大学, 人間総合科学研究科, 名誉教授 (80133023)
内海 成治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80283711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育開発 / 東南アジアモデル / 日本モデル / ASEAN共同体 / 地方教育の普及 / 国際研究者交流 タイ、フィリピン / 国際情報交換 タイ、フィリピン |
Research Abstract |
2013年7月初めに研究代表者、研究分担者が集まって打合わせ会を持ち研究計画を検討した。村田氏、内海氏、野津氏は2014年の3月にタイで調査を行い、タイの教育省、国家教育審議会事務局、スリン県地域総合大学、SEAMEO(東南アジア文部大臣機構)の本部、カセサート大学付属学校などを訪問調査した。また、研究協力者としてタイ研究者であるワライポーン博士、パイブーン博士も参加した。 畑中氏は2013年12月にフィリピンで調査をに行った.SEAMEOのINNOTECHでは,開発途上国に共通する課題である地方での教育改善のアプローチについて情報を得た。従来とは異なる教育の地方普及のモデル として,E-IMPACT(Enhanced Instructional Management by Parents, Community and Teachers)という事業が行われていた。その事業では,小学校で,複数の学年の児童を一緒のクラスとし,選ばれた生徒がピアティーチャーとして教え合い,学習モジュールを用い,地域の人材も活用されていた。 従来の研究により東南アジア教育の特色として、①宗教教育の重視、②英語教育の普及、国民統合のための教育重視が明らかになっている。今回の調査により、東南アジアにおける教育開発の新たな共通点として次の点が指摘された。 (1)教育格差の是正に努める。地方への教育普及に工夫する。 (2)外国人留学生の受け入れや新たな外国語(日本語、中国語、マレー語・ベトナム語 などの東南アジア言語等)教育に力を入れ多文化対応教育を実施する。 (3)ASEAN共同体の確立に向けてASEAN共通の教育を実践する。例えば、ASEANの知識、 ASEANアイデンティティ、ASEAN諸国の言語教育などを導入する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、研究対象として東南アジア諸国の中で主にタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンを取り上げて調査する計画であった。しかし、平成25年度には中田英雄氏が急に高等学校校長となりインドネシア調査ができなくなった。またマレーシア担当の鴨川明子氏が出産のため海外調査が困難となった。そのためマレーシア、インドネシアの調査研究が進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(平成26年度)にはマレーシア、インドネシアの調査を実施するとともに、当初の計画であるフィリピン、ラオス、ベトナム、ならびにバヌアツ、フィジーにおける調査を行う。そして、前述の東南アジア教育の特色が適用できるのか、また南南教育協力の観点からバヌアツ、フィジーの太平洋地域に東南アジアの共通教育がモデルとして適用可能かを探りたい。 来年度(平成27年度)には、調査結果を踏まえ、また日本モデルや西欧モデル(特にEUモデル)を考慮しつつ教育開発における東南アジアモデルの構築を試みる。そして、同モデルが、域外の太平洋地域、西南アジア地域、アフリカ地域、中南米地域に対しても南南教育協力として適用可能となるよう工夫する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、研究計画に参加予定であった中田英雄が、転職で高校長となり研究会に参加できなくなった。 今年度には、研究会の費用として使用する。
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Research Products
(1 results)