2014 Fiscal Year Research-status Report
高校教育の成果を生み出す高校教師の指導力の類型化とその形成過程
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25381153
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
南本 長穂 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (60108371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高校生の学習と生活 / 高校教育の成果 / 普通科の教育成果 / 高校教師の指導力 / 高校生文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年、高校教育の改革が要請され進行しているが、高校教育の成果の内実に関する論議・検討が不十分なために、高校の教育成果を体系的・実証的に明らかにできていない研究の現状の克服を目ざして、高校教育の成果を把握・理解するための概念図式を仮説・構想・提示し、この概念図式に基づき、高校教育の成果を明らかにしようとするものである。 平成26年度に取り組んだ1つ目は、1990年代のわが国における高校教育の制度改革で生み出された総合学科高校の高校生を対象に学習と生活、生き方を中心とした調査を平成25年度に実施したが、その調査結果に関する文書報告を行った。調査結果の検討を通して、制度改革により生み出された総合学科高校の教育成果を、生徒の視点から分析を行った。 2つ目に取り組んだことは、アメリカの高校教育の成果(outputs)に関する文献を通して、わが国の高校教育の成果を測定するための指標の検討を行い、まず、公立普通科高校の教育成果を明らかにしようとする調査を実施した。この調査は公立普通科高校(1923校)を対象(回答者は高校経営の責任者)に実施した。なお、調査は現在の時点では、集計作業・データ分析の進行中である。調査内容は、5つの指標(生徒の学力、キャリア教育やキャリア開発、大学等への進学、生徒の学習能力や情報処理能力の開発、生徒の学習や生活の支援や指導)から高校教育の成果を捉えている。また、この指標に関するデータから高校教育の成果を明らかにしようと意図している。 なお、公立普通科高校の調査に続いて、公立専門学科高校、私立高校に関する教育成果を実証的に明らかにするための作業を進めたが、作業が予定より少し遅れ気味のために、調査の実施は平成27年度の7~9月に予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高校教育の成果に関する高校教育の経営責任者を対象とした調査として、普通科高校、専門学科高校、私立高校を考えているが、平成26年度には普通科高校の実施にとどまった。調査票の検討は進めているが、平成27年度の早い時期に2つの調査を実施する予定である。また、高校生の視点からみた高校教育の成果への期待に関する調査をもう1つ実施する予定である。調査時期の遅れを取り戻すよう、研究の進展を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
公立普通科高校、公立専門学科高校、私立高校に関する3つの調査を実施し、その結果の分析、および3つの調査結果の比較分析を進め、また、生徒の高校教育への実態調査の分析を加味して、高校教育の成果の特徴を踏まえた高校教師の指導力の類型化を抽出し、その指導力を向上させる方向性や方途を提示していきたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施する予定にしていた公立専門学科高校への郵送調査が、質問内容を構成する教育成果の指標の検討作業の遅れのために、年度末までに実施できず、研究費のすべてを執行できなかった。平成27年度はこの調査を実施することはもちろん、当初の研究計画通り、報告書等の作成も進めていく予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に執行できなかった研究費は、7月から9月にかけて実施する郵送調査、および報告書の作成で使用する計画である。
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Research Products
(2 results)