2013 Fiscal Year Research-status Report
協同的な学びを軸とする算数授業モデルの構築に関する実証的研究
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25381171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石田 淳一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70144186)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学び合い / 協同的な学び / 算数科 / グループ学習 |
Research Abstract |
平成25年度は、小松市立苗代小学校と小松市立第一小学校を中心に「協同的な学びを軸とする算数授業づくり」のテーマにして授業実践を行ってもらい、第1学年から第6学年まで多くの算数授業データを収集できた。 1)授業実践の中で、協同学習の効果的な取り入れ方を検討するために、問題1の学習形態を「個人学習中心」「個人学習+グループ学習」「グループ学習」の3タイプ設定し、授業後に問題2を評価テストとして分析した。その結果、「個人学習+グループ学習」と「グループ学習」が「個人学習中心」よりも成績がよかった。この結果は、グループで1つの解法をまとめるプロセスをグループメンバーが共有する活動の役割を示唆している。 2)収集した算数授業記録を「学び合い」を促すための「教師の働きかけ」「子どもの聴き方」「子どものつなげ方」の3つの観点から分析し、8の教師の働きかけ、5つの子どもの聴き方、10の子どものつなげ方を明らかにした。 3)平成23年度に実施した「割合」単元の授業データをもとに「学び合い」を育てる「割合」の授業の仕方について、本を公刊した。 4)学び合いの質を高める算数授業の仕方について、これまでの授業実践をもとに出版原稿をまとめた。これは平成26年度に公刊予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度1学期、2学期、3学期を通して、小学校低学年、中学年、高学年と追跡クラスのグループ学習を取り入れた算数授業データを収集できた。このことは、1年間の協同的な学びの質の変容を明らかにするための基礎データとなる。 子どもの聴く力を調べるための試行的実態調査を低学年、中学年、高学年で実施できた。このことは、聴く力を育てるための手立てを考案するための基礎データとなる。 効果的なグループ学習のあり方を検討するための実験授業を6年で実施できた。このことはグループ学習の有用性を明らかにするための基礎データとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、低学年や中学年でグループ学習の効果的な取り入れ方を検討する実験授業を行うこと、グループ学習の質を高めるためのグループ学習シナリオを用いた学び合い指導を低、中、高学年で実施し、その成果を1年間を通して調べること、グループ学習の効果的な取り入れた算数授業づくりについての書籍を公刊することがあげられる。
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Research Products
(1 results)