2014 Fiscal Year Research-status Report
小学校教師及び児童の数学言語(語彙)の理解とその指導の研究
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25381183
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
志水 廣 愛知教育大学, 教育実践研究科, 名誉教授 (60252300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 算数語彙 / 語彙テスト / 語彙指導モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマ「小学校教師が算数を教える上で,また,児童が算数を学ぶ上で,算数科にかかわる数学言語(語彙)について,どの程度正確に理解しているか,語彙テストのノウハウをもとに調査する。」に関しては,下学年(1年,2年,3年)語彙テストの開発と調査結果の分析をまとめ,平成26年7月に全国算数数学研究(鳥取)大会及び平成26年11月に日本数学教育学会秋期大会(熊本大学)において発表した。また,愛知教育大学教育創造開発機構紀要に語彙研究の論文を発表した。 上学年(4年,5年,6年)向けに数と計算の領域について,語彙テストを開発して,語彙テストを実施した。規模は愛知県小学校1校,福岡県小学校2校で,4年生246名,5年生243名,6年生227名であった。この上学年語彙テストの分析を平成26年の9月から平成27年の3月にかけて行った。 主な結果は次の通りである。語彙「4この2つぶん」を理解することができるかどうかをみる問題の正答率は,第4学年21.5%,第5学年25.9%,第6学年22.9%であった。語彙「0.1の3こ分」を理解することができたかどうかをみる問題の正答率は,第4学年66.7%,第5学年73.3%,第6学年69.2%であった。語彙「1を4等分した数」を理解することができたかどうかをみる問題の正答率は,第4学年33.3%,第5学年34.2%,第6学年34.4%であった。以上のことから,児童のもつ算数語彙に不十分な理解を示す語彙があることがわかった。 ただし,教師への語彙調査については実施できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(理由)児童の語彙テストについては、25年度分の低学年での算数語彙テストの分析については終えて研究発表した。26年度分の高学年での算数語彙テストについては実施できている。この分析をほぼ終えたところである。 ただし、教師の算数語彙の調査および算数教科書における語彙の分類調査については進んでいないため、全般的にみてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
後は、低学年の語彙テストとともに高学年の語彙テストの全体の調査結果を分析する必要がある。また、その分析から、教師の算数語彙の調査に研究を進めたい。 なお、算数教科書における語彙の分類調査については、27年度からの新しい教科書で調べるため時間の余裕があれば進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
その他,印刷用紙など消耗品の購入が当初より下回ったため,また,予定していた分類調査ができなかったため。さらに,中間報告書を作成する予定であったが,下学年の調査だけでは不十分なので作成できなかったためである。この中間報告書作成のための費用は27年度に最終報告書に予算をとっておくために残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度からの繰越金も合わせて,176093円のおおまかな使用計画として次の3点の支出を予定している。 1.平成27年度に算数教科書が新しく改訂されたものが刊行されるので,このために使用する。2.物品費,研究発表のための旅費,調査結果の整理・分析にらかかわる人件費に使用する。3.平成26年度に予定していた中間報告書も含めた最終報告書の刊行費に使用する。
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