2014 Fiscal Year Research-status Report
五感を使った食品の選び方学習を導入した家庭科における食の安全教育プログラムの開発
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25381189
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
矢野 由起 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00140054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家庭科 / 食の安全 / 食品表示 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品産業の発展により食品や食事の選択の幅は広がり食生活は豊かになった。一方で、食中毒や食品表示期限の偽装など食の安全を脅かす事案は後を絶たない。こうした食を取り巻く現状をみると、家庭科教育において、栄養の取り方の学習だけではなく食の安全などの現代的課題に対応できる自立した生活者を育てることは、今、取り組むべき重要な課題である。そこで本研究では、食の安全に対応できる自立した生活者を育てることをめざし、家庭科における食の安全教育プログラムを開発することを目的とする。昨年度は小学校家庭科指導要領等を資料とし、これまでの小学校家庭科における食の安全学習の成果と課題を明らかにした。本年度は、安全な食生活を送るために必要な知識や技術を明らかにする目的で、学生を対象に食の安全に関する知識や理解、食の安全に対する意識、安全に関わる食行動に関して、その実態をアンケート調査により把握した。その結果、食料品の買い物頻度は週に1回程度が3~4割、調理頻度は月に1~2回やほとんどしないものが6割を占めた。食の安全に関する知識については項目によりばらつきがみられたが、期限表示に関する理解度は高く、食品添加物については十分理解していなかった。また、基礎的なことは理解しているが、その理解が実際の食行動にむすびついていないことが明らかになった。これらの結果から、食の安全に関する知識や理解を得るための学習だけではなく、実際の行動につなげていくための学習の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食の安全に関するアンケート調査を実施することにより、大学生の食の安全に関する理解と安全に対する意識と食行動を明らかにすることができた。また、これらの結果より安全な食生活を送るために必要な知識や技術の概要を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
食品の安全性を確認する場面を設定し、学生の食品選択行動の観察調査を行う。これまでの結果とあわせ、食の安全に対応できる自立した生活者を育てることをめざした家庭科における食の安全学習の内容と方法を提示する。
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Causes of Carryover |
資料収集のための出張が比較的近県であったため、旅費をおさえることができた。また、アンケート調査の入力と資料データ入力のために謝金をあてたが、効率よく入力等が進んだため、謝金をおさえることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
食品の安全性を確認する場面を設定し、学生の食品選択行動の観察調査を行う。行動観察調査のための録画機器や録音機器が必要となるほか、行動観察調査のデータ入力と集計のためのパソコンソフトと謝金が必要となる。
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Research Products
(1 results)