2015 Fiscal Year Annual Research Report
五感を使った食品の選び方学習を導入した家庭科における食の安全教育プログラムの開発
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25381189
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
矢野 由起 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00140054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家庭科 / 食の安全 / 食品表示 |
Outline of Annual Research Achievements |
家庭科における食分野の学習においては、これまで健康的な食生活を送るための栄養のとり方の学習が中心であった。しかしながら、健康食品による健康被害、食中毒、放射性物質に汚染された食品など、食の安全にかかわる様々な問題が生じている現状を考えると、家庭科教育において、食の安全に関する知識をもち適切に安全な食品を選択できる生活者を育てることは、今取り組むべき重要な課題である。そこで、本研究では、食の安全に対応できる自立した生活者を育てるための、家庭科における食の安全教育学習を開発することを目的とした。まず、昭和33年から平成20年の小学校学習指導要領等を資料とし、小学校家庭科における食の安全にかかわる記述を検討し、家庭科における食の安全学習の成果と課題を明らかにした。また、学生を対象に食の安全意識や知識、安全に対する配慮行動などについてアンケート調査を行い、基礎的なことは理解しているものの内容により理解に差がみられることや知識と意識との関連を明らかにした。さらに、学生を対象に食品選択行動の観察とアンケート調査を行ない、食の安全に関する理解や意識が実際の安全行動につながっていないことを明らかにした。こうした結果をふまえ、家庭科において食の安全に対応できる自立した生活者を育てるためには、科学技術の発展や社会・生活の変化に対応した教科書の記述が大切であること、科学的知識を日常生活に結びつけて捉えさせるための学習の工夫が必要であること、実際の授業において生活に即した学習と教材を準備することが大切であることを示した。
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Research Products
(1 results)