2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381197
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 博義 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20556469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 批判的思考 / 質問紙調査 / 指導法の考案 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、理科授業における子どもの批判的思考力を測定するとともに、それを育成するための具体的な指導法を開発することが目的であった。そして二年次では、質問紙やワークシートなどを用い、子どもの批判的思考の実態を明らかにする計画としていた。 この目的を達成するため、理科における中学生の批判的思考に焦点を当て、その実態を明らかにするとともに、中学生の批判的思考に影響を及ぼす要因構造を分析した。さらに、その結果を踏まえ、指導法考案へ向けての示唆を導出した。具体的には、批判的思考を測定するための質問紙(35項目)を作成し、鳥取県、岡山県、広島県の公立中学校1~3年生663名(第1学年145名、第2学年141名、第3学年377名)を対象に調査を実施した。 その結果、生徒の探究的・合理的な思考や多面的な思考、健全に懐疑する気持ちには違いは見られなかったが、反省的な思考は、これらに比べて働いていないことが明らかになった。また,探究的・合理的に思考している生徒ほど、反省的な思考をしているという因果関係が明らかになった。併せて、多面的に思考している生徒ほど、反省的な思考をしているという因果関係も明らかになった。生徒の反省的な思考を高めるためには、探究的・合理的な思考や多面的な思考を培うような指導をすべきであるという示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3か年の計画は、次の通りであった。1年次:子どもの批判的思考力を測定する質問紙を作成し、その妥当性および信頼性を確認する。2年次:子どもの批判的思考の実態を調査し、批判的思考育成のための指導法の在り方を検討する。3年次:批判的思考を育成するための指導法を考案し、授業実践を通して、その効果を検証する。 以上の計画にもとづき、二年次では理科における中学生の批判的思考の実態を明らかにするとともに、批判的思考を育成するための指導法への示唆を導出することができた。このことから、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にもとづき、三年次は、理科における子どもの批判的思考を育成するための指導法を考案し、授業実践を通して、その効果を検証する予定である。 また、研究の成果を日本理科教育学会、日本教科教育学会で発表すると同時に、各学会誌への論文投稿を計画している。
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Research Products
(6 results)