2015 Fiscal Year Research-status Report
日本人EFL学習者の信条の特徴と英語熟達度に関する総合的研究
Project/Area Number |
25381215
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
飯島 博之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80310994)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ビリーフ / 信条 / スピーキング / リスニング / EFL学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、「日本人EFL学習者のリスニングとスピーキングに関する信条の研究」を実施した。研究への同意が得られた非英語専攻で海外での教育経験がない公立大学1年生279名を対象に予備調査に基づいて開発したリッカート尺度の質問紙調査を実施した。回答者のうち、TOEICスコアが無い者、回答漏れがあった者44名を除いた235名を分析対象とした。質問紙への回答(5:当てはまる、4:だいたい当てはまる、3:どちらとも言えない、2: あまり当てはまらない、1:当てはまらない)はそのまま得点化され、スピーキングとリスニングに関連するそれぞれの質問項目ごとに因子分析が行われた。スピーキングに関しては、第Ⅰ因子(英会話に対する積極性)、第Ⅱ因子(英会話に対する緊張感)、第Ⅲ因子(英会話に関する通説)、第Ⅳ因子(英会話力特別視)が抽出された。更に抽出された各因子の標準因子得点に基づいて、TOEIC総合得点に基づく熟達度レベルとの関係から分散分析を行った結果、第Ⅱ因子(英会話に対する緊張感)に関して上位群<下位群の有意な関係(F(1, 233)= 5.85, p =.02, η2 = .02)が示された。また、リスニングに関しては、第Ⅰ因子(動機づけ)、第Ⅱ因子(学習ストラテジー)、第Ⅲ因子(母語話者からのインプット重視)、第Ⅳ因子(リスニングに対する自信)が抽出された。更に抽出された各因子の標準因子得点に基づいて、TOEIC総合得点に基づく熟達度レベルとの関係から分散分析を行った結果、第Ⅳ因子(リスニングに対する自信)に関して上位群>下位群の有意関係(F(1, 233)= 15.00, p =.00, η2 = .06)が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り研究の分析を終えた。研究結果に関しては平成28年度の全国英語教育学会か他の英語関連学会において発表予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度はライティングに関する信条の研究を行い、信条に関する研究に一区切りをつけることとなる。これまで3年間にわたる本研究の過程において学習者の動機づけ、自信、不安といった要因が英語熟達度と大いに関係があることが示唆されたので、実際の英語指導においてこれらの要因にどのように対処することが効果的な学習指導につながるかを考えたい。
|
Causes of Carryover |
過去に購入済みの在庫の消耗品などを活用することで経費の使用に関する無駄を省くことが可能となったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
プリンタ用トナーの価格が高いため、今回の繰越金を充てることを予定している。
|