2014 Fiscal Year Research-status Report
身体心理社会的な腰痛予防の視点をとりいれた生活支援技術教育プログラムの開発
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25381222
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
武田 啓子 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70548685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生活支援技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、身体心理社会的な腰痛予防の視点を取り入れた生活支援技術教育プログラムの構築に向けて、以下3点から検討した。 ①ワークシート「車いすで平地の移送介助ができる」を講義,演習,実習時に形成評価し、学生の技術の修得過程を明らかにした。介護福祉士養成2年制課程および4年制課程の学生ともに,講義、演習、実習と進む過程で評価が有意に向上した。とくに、実習を経験することで認知、情意領域の学修内容の評価が向上する様相を示した。 ②昨年度に作成した「介護過程から理解する生活支援技術ハンドブック」を学生および介護職員に無償配布した。内容の理解度について、「わからない:1点」~「よくわかる:4点」の4件で質問紙調査を行った。結果、総合評価の平均点は学生が3.4、職員は3.5と、高評価を得た。また、両者にほとんど有意差はみられず、ハンドブックは学生と職員共通に活用できることが確認できた。 ③腰痛の改善・予防を目指す姿勢認知教育プログラムの内容を検討するために、腰痛を有する介護職員を対象に、プログラムを実施した。実施後、腰痛の身体的要因の認知度は92%と高く、心理社会的要因の認知度は20%に満たなかった中、腰痛は有意に改善し身体的ストレスも軽減するなど、一定の効果を得ることができた。 その他、生活支援技術の到達度について4年制課程の学生を対象に3年間にわたる到達率を検討した。結果、到達率70%以上となった項目は、到達度Ⅰの45項目では12項目(26.7%)、到達度Ⅱの20項目では7項目(35.0%)であった。到達率70%以上の項目は、すべて経験率80%以上であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度作成した「介護過程から理解する生活支援技術ハンドブック」を学生および介護職員に無償配布し、その効果と課題を検証した。また、介護職員を対象に腰痛の改善・予防を目指す姿勢認知教育プログラムを実施した。実施後に心理社会的腰痛要因の認知度が有意に向上し、腰痛の改善も確認できた。以上より、今年度は腰痛予防の視点を取り入れた生活支援技術教育プログラムの構築に向けて、生活支援技術を介護過程から理解する学修内容と姿勢認知教育プログラムの内容を検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、姿勢認知教育プログラムの効果と課題を吟味し、身体心理社会的な腰痛予防の視点を取り入れた生活支援技術教育プログラムを構築する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた連携研究者の学会参加および会議を諸事情により実施しなかったため、旅費等の経費が予算を下回ったが、それ以外は計画通りに遂行している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ハンドブック作成のため、物品費(パソコン、用紙、トナーなど)に充てる。
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Research Products
(10 results)