2015 Fiscal Year Annual Research Report
消費者市民社会の形成を目指した「家庭科」での消費者リテラシー学習プログラムの開発
Project/Area Number |
25381223
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
三宅 元子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (20583909)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 消費者市民社会 / 家庭科 / 消費者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、小・中・高等学校の家庭科における消費者教育の学習内容を把握するため、大学及び短期大学1年生を対象として消費者教育に関する知識・意識・行動について質問紙による調査を行った。その結果、高校までの学習内容では、「クレジット」、「悪質商法」に対する認知度は高いが自己に関わる問題としての意識は低いことがわかった。次に、高等学校の家庭科教員に実施した調査では、消費者教育に対する関心は高いものの研修会等への参加率は低く、インターネットショッピング等の経験も少ない実状であった。また、平均授業時間数は4~6時間と他領域に比べて短く、活用できる教材の認知度も低かった。さらに、就職が内定している大学4年生への調査では、約8割の学生が金銭・金融に関して将来への不安を感じており知識も十分ではないと自己認識していた。アンケート結果から、高校までの家庭科における消費者教育は重要であり、特に消費者リテラシーを高めるためにはアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた授業実践が必要であると考えられた。そこで、一つの手法として「アサーショントレーニング」を活用し「契約上の問題(悪質商法)と解決方法」の授業を実践した。そこではアサーティブ高群、低群のいずれも「他者の勧誘を断る」行為において授業の効果はみられたが、アサーティブ低群は授業後に「断らない」あるいは「断れない」状態へと戻った。これらのことから、小・中・高等学校において児童・生徒の消費者リテラシーを高める学習は継続的に行う必要があること、学習内容は金銭・金融の問題、契約上の問題などにおいて意思決定力を高める授業方法を取り入れることが重要であると確認された。以上をふまえて小・中・高等学校における系統的な消費者リテラシー学習プログラムを作成し提案した。
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