2014 Fiscal Year Research-status Report
「言語力」と「コミュニケーション能力」を育成する書字教育カリキュラムの開発
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25381238
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
青山 浩之 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40323919)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育学 / 言語力 / コミュニケーション能力 / 書字 / 国語科 / 書写教育 / 言語活動の充実 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国語科の「文字を書くこと」に関する学習の効率化・最適化を図るために、これまで別立てのカリキュラムとして行われてきた書写学習を、国語の言語活動の学習などと効果的に関わらせ、「言語力」や「コミュニケーション能力」の育成に機能するよう再組織することを目的とする。そこで平成26年度は以下のように研究を進めた。 1.カリキュラム案(第1次案)の評価・検討: 新たに提案する「書字学習」のカリキュラム案(平成25年度の研究で作成した第1次案)について、国語教育実践者及び研究者に対して意見聴取を行い、その評価をもとに改善点を明らかにした。明らかにした点は、シミュレーションによる実践的検証の中でさらに検討することとした。 2.シミュレーションによる実践的検証: 新たに提案する「書字学習」のカリキュラム案(第1次案)について、国語の言語活動場面や国語科の「話す・聞く」「書く」「読む」領域との関係において機能するかを理論的に検証し、明らかになった問題点を小・中学校の実際の現場で実践的に検証した。実践的検証は、主に本学部附属学校、神奈川県教育委員会の学びづくり実践校、県内外の書写教育研究校などにおいてフィールド・ワーク研究の方法で行った。これらのフィールド・ワークを通して、国語の「言語活動の充実」とも積極的に関連づけることができ、カリキュラム案の改善点を整理するとともに、学習者の書字に関する実態の把握なども含め、研究の幅を広げることができた。 3.以上を通して新たに提案する「書字学習」のカリキュラム案(第2次案)を作成。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、文字・表記・語句等の学習や国語の言語活動と書写学習との関連性を検証し、新たな「書字学習」として組織し直した上で、そのために必要なカリキュラムと教授法の開発を行うことを目的としており、研究期間内に、以下の2点を行うこととしている。 1)国語学習や言語活動場面に応じた書字能力を措定し、新たな「書字学習」のカリキュラム原案を編成する。 2)文部科学省の「コミュニケーション教育推進会議」がまとめた「審議経過報告」(平成23年8月)などをもとにコミュニケーション能力育成の視点をとらえ、「書字学習」のカリキュラムに反映させ、検証する。 今年度は、1)のカリキュラム原案について、第2次案の作成まで進めており、次年度の検証に結びつけるところまでを達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間内に明らかにする点である、 1)国語学習や言語活動場面に応じた書字能力を措定し、新たな「書字学習」のカリキュラム原案を編成する。 2)文部科学省の「コミュニケーション教育推進会議」がまとめた「審議経過報告」(平成23年8月)などをもとにコミュニケーション能力育成の視点をとらえ、「書字学習」のカリキュラムに反映させ、検証する。 のうち、次年度は、1)のカリキュラム原案(第2次案)をさらに評価・検証し、2)のコミュニケーション能力育成との関連を検討する段階へと進める。この段階でも、フィールド・ワークによる調査を重視し、実践的な検証を通してカリキュラム原案(第3次案)の作成を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、特に以下の2点により、当該助成金が生じた。 1.資料整理等の作業を研究代表者本人が行い、それに関わる人件費を使用しなかったため。 2.研究代表者が県教育委員会から委嘱される「学びづくり事業」における研究会等の機会を有効に活用し、研究者や実践者からのヒアリングやフィールド・ワークを連携的に進めることができ、研究にかかる旅費や人件費等を押さえられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、今年度生じた当該助成金も含め、人件費や旅費を有効に使用し、資料整理や検証のためのフィールド・ワークを遂行する計画である。
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Research Products
(6 results)