2014 Fiscal Year Research-status Report
歴史認識を現代的視点から自律的に発展させる小中歴史カリキュラム単元の開発研究
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25381246
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
寺尾 健夫 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (70217412)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会科 / 歴史教育 / 構築主義 / 構成主義 / 小学校 / 中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度の研究を踏まえ、現代的な視点から歴史理解を発展させるための歴史カリキュラムの内容構成原理の解明を新たなカリキュラム事例の分析を通して進めた。具体的には、資料分析とが級での歴史事象の批判的解釈に基づいて現代民主主義の原理の追求を目指して子どもに自律的に歴史像を形成させる米国の中等歴史教育プロジェクトDBQ(Data Based Questions)の教材キットを分析し、社会構築主義の歴史教育カリキュラムの構成原理と内容構成原理を明らかにした。また、このプロジェクトで採られている単元開発の具体的方法を明らかにし、本研究が目指している歴史カリキュラムの単元開発の方法的知見を得た。 平成26年度にはこの他、社会構築主義に基づく歴史教育論のもう一つのタイプとして特に批判的思考力の育成に焦点を当てたもので、ウィスコンシン大学のG.Schurman教授が提唱している構築主義歴史教育論を分析する予定であったが、資料収集と研究交流が十分にできなかったために、この計画は平成27年度に継続して実施することにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度に研究の目的にしていた、現代的な視点から歴史理解を発展させるための歴史カリキュラムの内容構成原理の解明を新たなカリキュラム事例の分析を行うことができた。具体的には、資料分析とが級での歴史事象の批判的解釈に基づいて現代民主主義の原理の追求を目指して子どもに自律的に歴史像を形成させる米国の中等歴史教育プロジェクトDBQ(Data Based Questions)の教材キットを分析し、社会構築主義の歴史教育カリキュラムの構成原理と内容構成原理を明らかにした。また、このプロジェクトで採られている単元開発の具体的方法を明らかにし、本研究が目指している歴史カリキュラムの単元開発の方法的知見を得ることができた。しかしながら、平成26年度に予定していた、社会構築主義に基づく歴史教育論のもう一つのタイプとして特に批判的思考力の育成に焦点を当てた、ウィスコンシン大学のG.Schurman教授が提唱している構築主義歴史教育論の分析と授業開発については十分にできなかった。そのため、平成26年度の研究の進捗状況は計画していたことの7割の達成状況と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成26年度に未達成であった、社会構築主義に基づく歴史教育論のもう一つのタイプとして特に批判的思考力の育成に焦点を当てた構築主義歴史教育論の分析を行うとともに、研究成果として明らかにした構築主義の歴史カリキュラムの構成原理、内容構成原理、授業構成原理に基づいて、小・中学校を一貫して現代的視点から子どもの自律的な歴史認識を発展させる歴史カリキュラムの全体像を明らかにし、小・中学校にわたる段階制と系統性を備えた単元と具体的な授業の開発を行う。さらに、開発した歴史授業を、小・中学校の社会科教師の協力を得て実施し、その結果の検討を通して開発した小・中一貫歴史カリキュラムの有効性を実証する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に計画していた米国での資料収集と研究交流の計画を延期し、平成27年度に実施することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額を次年度の平成27年度に米国での資料収集と研究交流を行う出張旅費に充てる計画である。
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Research Products
(3 results)