2013 Fiscal Year Research-status Report
実践的指導力育成のためのALACTモデルに基づく家庭科教員養成授業モデルの開発
Project/Area Number |
25381248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小清水 貴子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70452852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 裕子 静岡大学, 教育学部, 教授 (20136154)
村上 陽子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40284335)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家庭科教員養成 / 実践的指導力 / 授業モデル |
Research Abstract |
近年,教師の実践的指導力の育成や教員養成の高度化の必要性が問われている。家庭科教師の実践的指導力における現状をみると,教師によって指導内容に落差が見られるなどの課題が指摘されている。家庭科教師は採用後すぐに,勤務校の家庭科を単独で担う立場になる。したがって,教員養成段階で省察的実践家としての素地を醸成し,積極的に自身のキャリア形成に努める力を養うことが求められる。これらの課題を解決するものとして,Huibregtse,Korthagenが提唱するリアリスティック・アプローチ(1985)に着目した。本アプローチのALACT(Action, Looking back on the action, Awareness of essential aspects, Creating alternative methods of action & Trial)モデルは,経験を学びの出発点として,そこから生じた関心や疑問,問題に焦点を当て,それを理論に効果的に結びつけ,専門性を高める方略である。そこで,本研究では,このALACTモデルに基づいて,実践的指導力を育成する6年間の家庭科教員養成の授業モデルを開発することを目的とした。 今年度は研究内容の精緻化を図るため,先行研究の検討を行った。また,実践経験から学びを深め,経験を再構築する学習機会を意図的に設定することを検討することを目的に,教員養成課程の家庭科教育専修に在籍する学生を対象に,教育実習後に質問紙調査を実施した。教育実習を通して,学生は教師としての自己の課題に気づき,その課題を克服することの必要性を感じていた。しかしながら,課題解決策の具体的な検討や課題解決に向けた行動変容に関しては個人差が大きく,自己省察の方法を工夫する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的や実施計画に関して,交付申請書に記載した内容にそって研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ALACTモデルに基づいた家庭科教員養成の授業モデルの開発に向けて,授業モデルの構想と評価を中心に研究を進める。具体的な研究内容は,以下のとおりである。前年度に実施した質問紙調査の分析をさらに進めて課題を明らかにする。授業モデルの構想にあたり,他大学の状況についてヒアリング調査を行い,情報を収集する。また,教職課程全体を見通して,各科目で達成すべき学習目標の精緻化・明確化を図り,ルーブリックを用いて必要な経験と習得すべき理論の関連を明らかにする。そして,各科目について,ALACTモデルに基づいた授業の内容構成,実施方法,評価方法を検討する。構想した授業の実施に向けては,研究協力者として附属学校教員に協力依頼の手続きを取るなど,研究を行うための環境を整備し,教材作成等を行う。授業実施後は授業モデルの評価を行い,その結果をもとに問題点や課題を抽出し,提案する授業モデルの更なる改善を行う。
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