2013 Fiscal Year Research-status Report
自覚的省察フレームの構成による授業観察法の構築-教員研修への応用-
Project/Area Number |
25381249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
森 勇示 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90345942)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体育科教育 / 教員研修 / 省察 / 教師力量形成 |
Research Abstract |
本研究は教員研修で実施する演習をもとに授業観察法を構築することを目的としている。そのため、本年度は①研修用資料の作成②教員研修での授業観察演習の実施③演習結果の分析の3つの事業に取り組んだ。 ①研修用資料の作成では、体育の授業実践場面(36授業)のVTR収録及びその編集を行った。VTRは研究協力者教員が実践した授業と授業研究会での公開授業を対象に撮影した。これを実際の教員研修で使用するサイズ・内容に編集した。 ②教員研修での授業観察演習は平成25年7・8月に行われた愛知県10年経験者研修(保健体育)の受講者(小学校18人、中学校24人、高校18人)に対して行われた。1日目にフリーコメントの類型化(研究者が未介入)、2日目に構成的表記による授業観察(介入)の2回実施した。 ③演習結果の分析は、上記②によって受講者から作成されたポートフォリオを対象データとした。フリーコメントの類型化は研究者が介入しない授業観察であり、受講者の授業観察の視点が偏っていることが自覚された。構成的表記による授業観察では、受講者の観察ズームの違い(授業を見る巨視的・近視的差異)により、授業観察・行動観察・運動観察・行為観察など多様な観点に分かれた。これは観察ズームを自由に操作することによって、様々な視点で授業を見ることができることが自覚された。 本研究の意義は2つある。1つは自らの授業観察の傾向や現状を自覚できる点にある。もう1つは観察の観点が他から与えられたものとは異なり、自律的な調整ができる点にある。このことは、教師省察を能動的に発展させ、教師の自助努力による力量形成にとって重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の実施計画のうち次の①から③まで達成している。 ①授業観察演習資料の作成した。(教員研修用講義プリント、演習資料プリント、ワークシート) ②観察用実践場面VTR資料を作成した。(協力者教員及び授業研究会の公開授業をVTR撮影し、これを編集。) ③授業観察演習を実施し、その結果を分析した。(H25年7、8月に愛知県10年経験者教員研修(保健体育)の受講者に対して①②を用いた演習を実施した。演習で受講者が作成したポートフォリオを分析した。) ただし、研究協力者教員への演習実施は2名にとどまったのでサンプル数を増やす予定。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は次の1から3の事業・研究を行う。 1,修正版授業観察演習資料を作成する。(25年度の受講者のアンケート結果をもとに、より理解されやすい資料に修正する。) 2,修正版観察用実践場面VTR資料を作成する。(協力者教員及び授業研究会の公開授業をVTR撮影し、これを演習用サイズ・内容に編集するとともに、映像分析ソフトを使って運動技能分析用の資料に編集する。) 3,授業観察演習を実施し、その結果を分析する。(H26年7、8に実施される愛知県10年経験者教員研修にて演習を実施し、その結果を分析する。協力者教員に同演習を実施し分析データを収集する。)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入物品の中の消耗品(紙類)が当初予定より安価だったため。 H25年度繰り越し金はH26年度の物品費、旅費、人件費・謝金、その他に加えて使用する予定。
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