2013 Fiscal Year Research-status Report
科学的プロセスを具体的に理解させるための科学教育プログラムの開発と実践
Project/Area Number |
25381250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
大鹿 聖公 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50263653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 平和 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (20583800)
佐藤 崇之 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40403597)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学的探究 / プロセス・スキル / 科学教育 / 観察実験活動 |
Research Abstract |
本研究では、理科学習を充実させる一環として、科学的探究、探究としての科学といった科学の本質、科学の考え方の理解を生徒に定着させるための科学教育プログラムを開発しようとしている。本年は研究の初年度にあたり、主に以下の3点について研究を行った。 ①国内外の科学的探究、科学的プロセスに関する教育プログラムの現状把握及び分析:国内の理科教科書の分析、海外の教科書や教育プログラムの収集や分析を行った。アメリカでは現在、新しい科学教育カリキュラムが作成され、その中で科学の実践をつよくうたうカリキュラムが開発されつつある。それらの情報分析を行うと同時に、中学校理科教科書「科学と技術の本質(The Nature of Science and Technology)」の分析から、中学校理科に導入可能なプログラムを見いだした。また専門的に科学的探究を進めるプログラム「Understanding Science」、「Understanding Evolution」を翻訳し、日本に適応可能かどうか検討中である。 ②科学の考え方・科学の本質に関する基礎調査ならびに予備実践:大学生を対象として、科学に関するアンケート調査を実施した。その結果から、科学についての理解が曖昧な学生が多く見られること、科学の学習は知識の蓄積と認識している学生が多く見られることなどがわかった。そのような学生を対象に、科学的なプロセスを理解するための授業プログラムを実施した。その結果、体験的な活動を取り入れることで科学に対する印象の変化や、科学そのものの理解を促すことが可能であることがわかった。 ③基盤ネットワークの作成:愛知県内における教育機関、研究機関、自然系社会教育施設の各教育担当者ならびに教員が相互に連携できる枠組みの作成を目指し、年2回、情報交換できる場を設定し、実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究初年度ということもあり、研究に関する情報収集や資料分析を中心に研究を進めている。海外での先進的な事例を収集し、分析できたことから、次年度以降の国内での授業プログラムの開発のための基礎資料とすることができた。現状調査については、大学生を中心として実施しているが、一部しか行えていないため、次年度の実践とあわせてさらに調査を行う予定である。研究のメインとなるプログラム開発について、上記の海外資料の分析結果を基に、現在、日本における理科教育カリキュラムを詳細に分析すると同時に、どの単元において実施可能か、開発可能かについて検討していくために、再度、日本の授業内容の現状を洗い出す必要があることがわかった。また、基盤ネットワークづくりについては、当初、計画していた施設以外からの協力も得られ、幅広い領域からの担当者を含めた総合的なネットワークを構築できる見込みである。今後、継続的に行うための計画を立案する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに収集できている資料やプログラム以外にも、先進的な取り組みを行っているものについて情報収集や資料分析を行うと同時に、具体的に、国内の学校現場で活用できるプログラムの開発に着手する。開発したプログラムを、現在のカリキュラムの中にどのように組み込んでいくか、またはどのように教員などに周知していくか、それらの方法論について検討していく。特に、従来、観察実験が実施しにくい単元や教材などが少ない単元での開発を中心とすることで、科学的な探究をより学校現場が導入しやすい、実践しやすい環境やプログラムとして提供できるよう検討していく。これらについては、予備的なものとして大学生を対象とした実践を実施し、データ収集を行いながら、開発するプログラムの評価を行う。児童・生徒を対象としたプログラムだけでなく、指導・活用する教員のためのプログラム開発についても同様に実施する。 さらに、学校現場への周知を進めるため、提供する場としての施設などのネットワークづくりを強化していく。このネットワークを通して、プログラムの趣旨や学習の効果等を研修などの機会で周知し、またプログラムを理解してもらう予定である。
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Research Products
(16 results)