2015 Fiscal Year Research-status Report
国語科書写における用筆の分析をもとにした適切な書法の確立の研究
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25381251
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
衣川 彰人 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80293728)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 楷書 / 用筆 / 基本点画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度も、毛筆を用いた楷書の用筆について、動画撮影を引き続き行いながら分析を進めた。初学者に、楷書の基本点画である、横画・縦画・転折(折れ)・左払い・右払い・右上払い・点・そり・曲がりの9種類を別々に書いてもらい、その様子をビデオカメラにより撮影した。 基本点画をどのように書いているか、その用筆をビデオカメラで撮影することにより、始筆から送筆、終筆までどのように筆が動いているかを記録することができる。そして、撮影した動画データを分析し、初学者がどのような用筆で書いているか、その傾向を導き出し、それらと書写の基本的な用筆法との差異について比較することにより、用筆の問題点を明らかにすることができる。 平成27年度は、より多くの初学者に9種類の基本点画を書いてもらい、その様子を動画撮影し、用筆のサンプルを増やすことを中心に行った。そして、それをもとに、それぞれの点画における、用筆の傾向を分析し始めた。収集した動画を拡大再生しながら分析することにより、始筆部での筆の入筆方法を調査したり、スローで再生させながら、始筆における筆圧のかけ方や、送筆中の筆の穂の向きを調査している。 また、撮影に協力してくれた初学者を対象に、用筆に関するアンケート調査を行った。その内容は、日常生活における利き手の使用(右利き・左利き)や、基本点画を書く際の意識(書く際に注意している点や難しいと思う点など)について調査して、動画に見られる用筆の傾向だけではなく、初学者が考える書字への意識や利き手と用筆の関係ともあわせて分析を進めるための資料取集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度より毛筆を用いて楷書の基本点画(横画・縦画・転折・左払い・右払い・右上払い・点・そり・曲がり)を書いてもらい、その様子をビデオカメラで撮影を行ってきたが、平成27年度は、より多くの初学者の動画サンプルを集めることにした。また、撮影に協力してくれた初学者に、用筆に関するアンケート調査を追加して実施したことにより、当初の予定よりも、動画データのサンプル収集に時間を要することになり、やや遅れぎみになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
9種類の基本点画の用筆について、動画撮影した用筆のサンプルを分析し、始筆・送筆・終筆の、それぞれの地点での基本的な用筆との差異について、明らかにしていきたい。特に、横画・縦画では始筆から送筆へと移行する際の、筆の穂の向きについてや、転折(折れ)での、方向転換の際の動き、左払い・右払い・右上払い・点・そり・曲がりでの送筆での筆圧の変化について、動画のスロー再生や拡大再生を通して分析していく。また、用筆に関するアンケート調査から得られた書字意識の傾向とも照らし合わせて、用筆の問題点と適切な用筆との関係について研究を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
初学者が基本点画を書く際の動画撮影を、書写の学習をする大学生に協力をしてもらって行ったため、当初予定していた、撮影協力者への謝金等や旅費への支出が発生しなかった。そのため、当初の計画より支出が少なくなり、次年度での使用額が生ずることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、動画撮影した初学者の用筆のサンプルと比較するための、熟達者の用筆サンプルを撮影するために必要な旅費や、撮影協力者への謝金等に対して予算を使用する計画をしている。また、分析した動画サンプルをまとめた視覚的教材の開発に向けた機材の購入への使用も予定している。
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